健康トピックス  

目の使い過ぎ、それとも?-眼精疲労-


ピント調節がうまくいかない

72-01.gif 私たちは近くを見たり、遠くを見たりするときは、右図のように目の水晶体の厚みを調節して自然にピントを合わせています。ところが調節する時間が長引くと、目が疲れる、ぼやける、痛む、充血する、涙が出るなどの症状が現れます。これが眼精疲労で、頭痛、肩こり、イライラ、吐き気などの全身症状が現れる場合もあります。
 これらの原因の多くは、視力に合っていない眼鏡をかけていたり、眼鏡を必要とするのにかけていないといったものです。
 眼精疲労は近視だけでなく、むしろ遠視の方が起こりやすいのですが、子供の遠視は本人の自覚がないために見逃しがちです。読書やテレビゲーム、パソコンなども長時間同じ距離を見続けるので、目の疲労を引き起こします。


タオルの温湿布や目薬の効果は?

 目が疲れると眼球を押したりする人がよくいますが、強く刺激すると眼球に傷がつくことがありますので感心しません。 せいぜい目の周囲を軽くマッサージする程度にしましょう。
 また、蒸しタオルでまぶたの上から温湿布したり、目薬をさしたりすると疲れがとれたような気分になりますが、あくまでも”一時しのぎ”と考えるべきでしょう。
 眼精疲労を予防するには、仕事や勉強などの合間に遠くのものを見て目の緊張をやわらげたり、目を閉じて休ませたり、定期的に検眼して適切な眼鏡をかけるなどの必要があります。

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ほかの病気が原因のことも

 眼精疲労は結膜炎や角膜炎、あるいはドライアイなどでも起こります。また、斜視があったり、精神的な問題から起こることもありますし、なかには目以外の病気が原因で起こる場合もあります。目を休ませたり眼鏡を変えても眼精疲労がよくならない時は、重大な病気がかくれていることがありますので、かかりつけ医か専門の医師に相談しましょう。

指導:東京慈恵会医科大学眼科教授 北原 健二
企画:日本医師会
協賛:吉富製薬株式会社