健康トピックス  

赤ちゃんには大問題-妊娠と喫煙-


女性の喫煙が増えています

 世界的に喫煙人口が減る傾向にあります。わが国でも同様ですが、ここ数年では逆に若い人、特に若い女性の喫煙率が高くなっています。
 喫煙は各種のがん、呼吸器や心臓の病気と深い関係があるので、老若男女を問わず、できるだけ禁煙することが望ましいのです。
 女性は妊娠・出産能力を低下させますので、 これから子どもを産むかもしれない女性の喫煙は問題です。

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胎児には明らかな悪影響が…

 たばこに含まれる成分のうち、胎児にとって特に有害なのは一酸化炭素とニコチンです。ニコチンの作用で子宮胎盤の血流が悪くなって、胎児の栄養が不良となり、体格の小さな赤ちゃん(低出生体重児)が生まれたり、早産、流産の発生が高まることが指摘されています。また、妊娠合併症や死産なども増加します。

今からでも禁煙しましょう
 わが国では「妊娠に気づいた時点では喫煙者だった」という女性が3分の1程度いるというデータがあります。一方、これから妊娠する可能性のある女性全員が禁煙すれば胎児・乳児の死亡率が約10%減少するだろうという試算もあります。近年、医学の進歩により、新生児の死亡率が格段に下がっているとはいうものの、この数字をどのように考えるべきでしょうか?
 禁煙は今からでも遅くはありません。どうしてもやめられない人は、医師による禁煙指導を受けるとよいでしょう。ガムや貼り薬などを使った新しい治療法もありますので、かかりつけ医に相談してみてください。

 



指導:前 東京慈恵会医科大学産婦人科教授 寺島 芳輝
企画:日本医師会
協賛:武田薬品