健康トピックス  

環境がつくる病気?-子どもの肥満-



現代社会が子どもの肥満をつくる!?

 子どもの健康は大人がつくっている社会環境に大きく影響されます。社会がより豊かになるにつれ食事も欧米化し、脂肪分や糖分の多い食事をとるようになり ました。好きなものを、好きな時に、好きなだけ食べられるようになってきています。
 メディアの発達も子どもの生活に大きな変化を与え、 遊びでも日々の行動においても身体を動かすことが減り運動不足は確実なものとなってきました。高学歴指向の社会では、受験戦争で夜型の生活が主となり、睡眠不足、 食習慣の乱れ、ストレスなどにより、いまでは学齢期の子どものおよそ10人に1人が肥満しているという状態です。

肥満は健康障害に通じる

 大きな目で見ると、人類の歴史は「飢え」の歴史でした。飢えに対応する仕組みは身体の中に自然にできあがってきましたが 、そうでない場合への仕組みは不十分です。食べ物がありすぎてエネルギーを貯えすぎた状態、すなわち肥満は健康をそこなうもとになります。
 身体の基礎ができる時期の子どもが肥満することは、今後の長い人生に向けて重大な健康障害が待ち構えていることを意味しています。

生活習慣を考え直そう

 子どもの肥満を解消するためには、生活習慣の中身を変えていく必要があります。食生活は間違っていないか、もっと身体を動かす方法は、早く寝る生活はどうすれば実現するか、ストレスをためないためには・・・など、日々の生活の見直しから始めたいものです。
 ただし、発育段階にある子どもには急激な食事制限は危険です。無責任な情報に振り回されぬよう、必ず医師の指導を受けましょう。




指導:東京女子医科大学附属第二病院院長 村田 光範
企画:日本医師会
協賛:第一製薬