健康トピックス  

軽い症状でも、こわい風疹-女性と風疹-


忘れたころに流行する

 “三日はしか”とも呼ばれる風疹は、おもに幼児や学童期の子どもたちがかかりやすい伝染性の病気です。1年のうち、春から初夏にかけて不規則に流行します。大きな流行は5〜6年おきに見られ、ここ数年では1992年に大流行しました。

妊娠3ヵ月までは気をつけて

 風疹の症状は“はしか”に似た発疹です。1〜2日で熱も発疹もおさまるというように、比較的軽い症状で回復します。ところが、妊娠している女性が風疹にかかると、流産や先天性の病気を持った子どもが産まれる危険性が高くなるので、症状は軽くても怖い病気です。とくに妊娠3ヵ月までの初期に風疹にかかった場合、胎児への感染率が高く、先天性風疹症候群と呼ばれる白内障や心疾患、聴力障害、発達障害などの障害児が生まれる確率が高くなりますが、5ヵ月以降の妊娠後期だとその頻度は減少します。

一度かかれば一生得られる免疫

 風疹ウイルスに感染すると、発症するまでの潜伏期間はおおよそ2〜3週間。発病後3日目くらいから抗体価は急上昇し、7〜10日目で最高値に達します。症状は発熱、発疹のほか、リンパ節が腫れて痛みを伴うことも少なくありません。その後、症状は消えても抗体価は1〜2ヵ月ほど最高値のままで、それ以降は徐々にゆっくりと下がっていき、抗体は終生維持されます。稀に、抗体価が下がると再感染をおこすこともあります。

一番の予防はワクチン接種です

 妊娠の可能性がある人、妊娠を希望している人は風疹にかからないような予防が大切です。抗体検査をして、もし免疫がなければ、妊娠の前に風疹ワクチンの接種を受けましょう。妊娠中はワクチンの接種は受けられません。また、ワクチン接種後2ヵ月間は避妊することも忘れずに。



指導:東京慈恵会医科大学附属青戸病院院長/産婦人科教授 落合 和彦
企画:日本医師会
協賛:ウェルファイド株式会社