健康トピックス  
   

子 宮 体 が ん

子宮は膣側から下3分の1を頸部、その上の3分の2を体部と呼び、子宮がんはできる部位によって子宮頸がんと子宮体がんに分けられます。統計的には子宮頸がんが40歳代に最も多いのに対して、子宮体がんは50歳代に最も多くみられます。現在わが国の子宮体がんは、子宮がん全体の10〜20%にすぎませんが、徐々にふえる傾向にあります。

◎こんな方は要注意!

 子宮体がんにかかりやすい女性の要素としては、右の表のようなものがあげられます。子宮がんの初期は無症状ですが、少し進行するとおりものがふえたり、少量の子宮出血が断続的に続いたりし、かなり進行すると下腹部痛などがあります。右の表の要素をいくつかもち、さらにこのような症状がある場合には、とくに早めに婦人科を受診することをおすすめします。

.

《子宮体がんになりやすい女性とは》
@未婚   A不妊   B閉経後
C初婚・初妊年齢が高い
D妊娠回数・出産児数が少ない
E30歳以後の月経が不規則
F女性ホルモンのうち、卵胞ホルモン剤を長く使っている。
.

◎「子宮がん検診」で気をつけたいこと

 市町村などが行っている「子宮がん検診」は子宮頸がんが主で、子宮体がんの検査は産婦人科医が必要と認めた場合に追加されます。したがって「子宮がん検診」を受けた時、体がん検診を含んでいるかどうかを確認しておきましょう。もちろん子宮体がんの場合も他のがん同様に、早期発見であればあるほど治りやすいわけですから、思いあたることがあったら、積極的に検査を受けておきたいものです。


日医ニュース(24時間の医学No.594)
指導・杏林大学名誉教授 鈴木 正彦