健康トピックス  

老化を防ぐ!丈夫な骨づくり

 外見はまだ若く見えても、骨は知らない間に老化が進んでいるかもしれません。骨の老化が進むと骨粗鬆症になり、背中や腰が痛み、骨折しやすくなったり、骨折しても治りにくくなったりします。その結果寝たきりの生活になって急速に老化が進むようになります。骨を丈夫にすることは、老化を防ぐキーポイントのひとつなのです。

◎骨づくりは長期計画で

 の強さは骨にカルシウムがどれだけ含まれているかで決定し、カルシウムの量が多いほど強い骨(骨量が多い)ということがいえます。 カルシウム量は年齢や男女別によっても異なり、1日に蓄積されるカルシウム量は女性の場合で13〜14歳、男性の場合は15〜16歳で最高値に、総蓄積量は男女とも20歳前後で最高値に達します(成長期)。
 こののち、30歳代半ば頃までほぼ一定の骨量を保持し(骨量維持期)、40歳以後は次第に減少、女性では閉経とともに急速に減少します(骨量減少期)。 丈夫な骨をつくるには年をとってからでは遅すぎます。若いうちから積極的に取り組みましょう。

 

◎成長期の骨づくり

 まず、適度な運動が必要です。筋肉の収縮が骨の形成に良い影響を与えます。次に十分な睡眠をとり、骨の成長に必要なホルモン分泌を促進させます。食生活では栄養バランスを考え、とくにビタミンDとカルシウムの摂取は重要です。

 

◎骨量維持期の骨づくり

 成長期と同じように適度な運動が必要です。特別な運動は必要ありませんが、バスや電車ならひと駅手前でおりて歩くとか、意識して体を動かすよう心掛けましょう。
 食生活ではやはり栄養バランスを考え、ビタミンDとカルシウムが不足しないように注意しましょう。

 

◎骨量減少期の骨づくり

 生活スタイルは骨量維持期と同じですが、外出する機会が減りがちなので、できるだけ戸外に出て日光に当たるよう心掛けましょう。日光に当たると体内にビタミンDが生成されます。

 

◎定期的に骨量の測定をしましょう

 いったん少なくなった骨量をあとから取り戻すのはむずかしいことです。しかし、定期的に骨量の測定をしていれば、異常を早めに発見することができ、早めに治療することができます。最近では測定機器を設置している病院や役所が増えつつありますから、積極的に受けるようにしましょう。測定は何の痛みもなく簡単にできます。

 


日医ニュース(24時間の医学No.609)
指導・大阪市立大学医学部第二内科教授 森井 浩世