健康トピックス  

胆のうポリープ

◎胆のうポリープとは?

 胆のうは肝臓の下にある長さ約7〜9cmの臓器で、十二指腸に胆汁を送り込んで脂肪の消化を助ける働きをしています。
 この胆のうの内部にできたポリープ(コブのように盛り上がった病変)を総称して胆のうポリープといい、その種類にも良性のものから悪性のもの(胆のう癌)まで、いろいろあります。

 

◎ポリープと癌の関係

 ポリープの直径が大きいほど癌の可能性があります。直径10〜20mmなら癌の可能性があり、20mm以上なら確率はかなり高いといってよいでしょう。
 ポリープを形で分類すると、有茎性、亜有茎性、無茎性(広基性)の3つに分けられ、このうち亜有茎性から無茎性のものに癌が多くみられます。有茎性のものはまれに早期癌で発見されることがありますが、多くは良性です。つまり直径が10mm以上で亜有茎性か無茎性のポリープなら癌の可能性が大です。しかし、最もよく見られるのは良性のコレステロールポリープ(有茎性)です。

 

◎早期に発見して早期に治療を

 良性の胆のうポリープは無症状のことが多く、あっても右わき腹から上腹部あたりが軽く痛む程度の自覚症状しかないために見落とされがちです。胆のう癌の場合には、さらに発熱や食欲不振、場合によっては黄疸などの症状が現われたりします。もしやと思ったら早めに医師の診察を受けてください。
 胆のうにポリープがあるかどうかは、超音波検査やCTなど比較的簡単な検査でわかります。ここでポリープがみつかったら、良性か悪性かを知るためにさらに詳しい検査をします。癌の疑いがある場合には手術をしますが、直径10mm以下のポリープであれば、ほとんどの場合経過を観察し、大きくなるようであれば精密検査をするといった方法がとられます。
 どんな病気でも早期発見して早期治療すれば、それだけ治る確率も高くなることは当然のことです。自覚症状がなくても、早期発見のために超音波による定期健診を積極的に受けるようにしましょう。

 


日医ニュース(24時間の医学No.610)
指導・順天堂大学医学部第二外科教授 二川 俊二