健康トピックス  

乗り切ろう、寒い季節-心臓病の方の寒さ対策-



寒さと心臓と血圧

 寒さに身をさらすと、身体の表面にある毛細血管は熱が失われないようにするために収縮します。そうなると、血流に対する抵抗が高くなり血圧が上がることになります。

 寒いからといって重いコートを着て外出すれば、重い荷物を背負っているのと同じで多くのエネルギーを使うことになり、血圧も上昇するので心臓の負担が増えます。薄くて暖かい下着をきちんと身につけると、心臓に負担をかけずに寒さを防げます。

温度差にご用心!

 冬、家の中で特に注意しなくてはならない場所は2カ所あり、そのひとつは風呂場です。

 寒い風呂場と熱い湯は血圧を急上昇させるので危険です。風呂に入る前に浴槽のフタを開けておき、1、2分シャワーを出しっぱなしにしておけば、風呂場は床のタイルまで暖まります。そして、湯の温度は38〜40℃ぐらいにしてゆっくりとつかります。熱めの湯でないと気がすまない方は、風呂から上がる間際に42℃ぐらいの湯にザッと入るのがよいでしょう。

ご注意!ここも寒い

 注意が必要なもうひとつの場所はトイレです。寒いトイレの中で冷たい便座に座れば血圧はいやがうえにも上がってしまいます。ちょっとぜいたくかもしれませんが、安全な温風暖房器などでトイレの中を暖かくして、便座も温められるものにすることをおすすめします。



指導:杏林大学医学部第二内科教授 石川 恭三
企画:日本医師会
協賛:第一製薬