健康トピックス  

正しい体温を知っていますか?-小児体温のトラブル-

小児の体温は健康状態とか病気のあるなしを知るための
最も簡単なバロメーターの一つですから、正しい知識が要求されます。



小児体温は37.0度以下とは限らない

 正常体温というと体温計や温度表に記されている37.0度の赤マークを考えがちですが、健康な大人でも37.0度以上あることがありますし、まして、発育盛りの小児では大人以上に一定しません。
 一日のうちでも時刻によって変わり、測る部位、年齢、体質などによっても微妙に変動するので、体温は37.0度以下だと決めつけることはできません。

どのくらいまでが正常?

 小児の正常体温は37.0度をはさんで0.5度前後とみればよいでしょう。
 最近は “音ですぐわかる、破損が少ない” といった理由で電子体温計が普及しています。
ただし、電子体温計で注意しなければならないのは、感温部(正確に温度を感じる部分)が狭いので、腋窩(腋の下)という広範な部位では、測るたびに数値が違うといったトラブルが多いことです。

測り方のポイントは?

 正しく測るためには、上図のように腋の下の前3分の1に体温計の感温部を確実に挿入します。
正しく挿入されると体温計は自然にななめ下向きになります。

 1分計、3分計に関係なく、測定時間は腋の下の温まり具合からみて、5分〜10分間は必要です。

熱が出たら

1. 顔つき、機嫌、食欲など、全身状態をよく観察する。
2. 水分を多めにとる。
3. 38.0度以下なら頭を冷やして様子を見る。
4. 解熱剤は38.5度以上あり、元気がない、だるそう、頭が痛いなどと訴えた場合に使う。

熱が下がったからといって、病気が治ったわけではありません。翌日、医師の診察を受けましょう。
また、高熱だけで脳に異常が起こることはありません。



指導:九州アレルギー・免疫センター所長 槁 賢二
企画:日本医師会
協賛:武田薬品