健康トピックス  

 

知りたい、けれど心配  − 自己血圧測定のすすめ −

 

自宅と病院では違う?

 外来で計測した血圧から「高血圧」と診断されても、家庭で計ると正常範囲内のことがよくあります。これは、病院という特殊な環境で血圧が高くなる現象で、「白衣性高血圧」とか「診察室高血圧」といわれています。
その反対の場合もありますから、家庭でも血圧を計ったほうがよいのです。

 

 

 

自宅で計るときは

 家庭用血圧計が普及し、計り方が比較的簡単で値段も安いものがどんどん登場してきています。種類や形もさまざまですが、基本的には上腕用(肩関節から肘関節まで)、手首用、指用の3種類があり、測定の誤差が少ないのは上腕用です。外来受診するときに、家庭で使っている血圧計を持っていき、使い方の指導を受けると、より正確に計れるようになります。

 


 

計り方と記録の仕方

   

    
 血圧は1日のうち時間帯によっても、また、身体的、精神的活動によってもかなり大きく変化するものです。高い、低いと一喜一憂するのはかえってよくありません。

 1日のうちの変動を知るには、起床直後、朝食前、午前10時、昼食前、午後3時、夕食前、就寝前に計るのが基本になります。これ以外にも、できればトイレ使用中、食後、入浴後、飲酒中、飲酒後、接客後、電話終了後、興奮時などの血圧も計り、得られた血圧値をグラフにして、だいたいの目安をつかんでおくとよいでしょう。日常の生活の中の血圧の変動を知ることにより、どのような降圧剤を何時ごろ服用するとよいのか、患者さんと医師の双方にとって役立つ情報が得られるからです。

 体重計をヘルスメーターと呼ぶとすれば、家庭血圧計はライフメーターといえます。もっと上手に自分の血圧と付き合いたいものです。


指導:杏林大学医学部第二内科教授  石川 恭三
企画:日本医師会
協賛:第一製薬(健康プラザより)