健康トピックス  

目や口が乾きませんか-シェーグレン症候群-



涙や唾液が出にくくなる病気です

 シェーグレン症候群は中年以降の女性に多く見られる病気で、”目の乾(かわ)き”と”口の乾(かわ)き”が主な症状です。 涙腺、唾液腺に慢性の炎症をきたす自己免疫疾患で、涙液と唾液の分泌が減少する病気です。

そのまま放置しないで

 ”目の乾き”を放置すると、乾燥性角結膜炎を起こして異物感のほか、目が赤くなったり、痛くなったりします。視力が低下することもあり、角膜潰瘍(かいよう)から失明にいたることすらあります。”口の乾き”も口の中の乾燥による不快感のほか、ビスケットやパンなどを食べにくくなったり、乾燥が原因で口の中が張りつくために、会話を長く続けることができなくなります。そして、口の中の衛生が保たれないので虫歯が多いのも特徴です。

 ※シェーグレン症候群:
1933年にスウェーデン
の眼科医シェーグレンが
発表した論文にちなんで
名づけられた疾患です。

治療と予防のこころがけ

  ”目の乾き”には目薬(人工涙液)を何度も使って、角膜や結膜の乾燥を防ぐことが必要です。”口の乾き”にはペットボトルの水などを近くに置き、少しずつ飲んで口の中を湿らせ、清潔に保つことが大事です。最近は唾液の分泌を増やす薬もあります。
 また、シェーグレン症候群は全身性の病気を伴うこともあり、慢性関節リウマチなどほかの自己免疫疾患を合併することがあるので注意が必要です。”目の乾き”や”口の乾き”が気になる人はかかりつけ医に相談してみましょう。



指導:聖ヨゼフ病院 院長 市川 陽一
企画:日本医師会
協賛:第一製薬株式会社