健康トピックス  

冬場は予防が大切-高齢者の皮膚のかゆみ-



皮膚のあぶら分や水分が少ないお年寄りは要注意

 皮膚のうるおいは、皮脂と呼ばれるあぶら分と水分で一定に保たれています。ところが年をとってくると、個人差はありますがだれでも皮膚が乾燥してきます。
 湿度が低く乾燥した日本の冬は、ただでさえ乾燥しがちなお年よりの皮膚をさらにカサカサにして、かゆみを招きます。

掻かないように保湿剤を

 かゆみは手足、とくに足のすねや太もも、あるいは腕から背中にかけて広がることが多く、皮膚の乾燥が増すと皮膚がひび割れたり、波状の亀裂が入って網目状になったりします。ウールの肌着などが肌に触れて刺激になるとかゆみも増します。「かゆいから」といって掻いてしまうと、悪化して湿疹をおこし皮脂減少性湿疹になってしまうことも少なくありません。かゆくなりそうな入浴後など、保湿剤を皮膚に塗って掻かないように注意しましょう。

 

かゆみの予防 日常のちょっとした心がけで、ある程度かゆみを防ぐことができます。
●入浴は短時間に:長時間はもちろん、2回以上の入浴は避けましょう。また、石鹸やシャンプー、ナイロンタオルによる洗いすぎは皮脂を落として皮膚を乾燥させてしまいます。
●肌着選び:刺激のない滑らかな素材のガーゼや木綿製品にしましょう。
●飲み物や食べ物:お酒や香辛料など、刺激物のとり過ぎは体が温まってかゆみがひどくなります。また、電器毛布や電器シーツも要注意です。
●お部屋で:暖房による湿度の低下に注意しましょう。加湿器などで湿度を保つことも大切です。

※高齢者のかゆみは乾燥だけが原因とは限りません。かゆみが続くような場合は皮膚科の専門医に受診しましょう。


指導:日本医師会常任理事  山田 統正
企画:日本医師会
協賛:ファイザー製薬株式会社