健康トピックス  

朝までしっかり血圧管理 -早朝高血圧-



早朝高血圧はなぜ恐い?

 血圧は一日の間で上下を繰り返しています。
通常、血圧は夜に下がり、明け方の目覚めるころから上がり始めるのですが、夜でも下がらなかったり、明け方の上がり方が著しいことがあり、これを早朝高血圧と呼んでいます。
最近、脳卒中や心筋梗塞などの発作は午前中(特に午前6〜10時)に多いことがわかり、早朝高血圧との関係が注目されるようになりました。


明け方は危険な時間帯

 寝ている間は“休め”の信号を出す副交感神経が優位に働いていますが、明け方の時間帯は“働け”の信号を出す交感神経が活動するようになり、血圧や脈拍が急に増えます。
また、明け方は、動脈硬化や心肥大の原因になるホルモンの作用によって、血管の中に血のかたまりができやすくなる時間帯でもあります。
このような条件が重なるため、明け方に脳卒中や心筋梗塞が起こりやすくなるのです。

自分の血圧を知りましょう

 脳卒中や心筋梗塞などを未然に防ぐためには、自分の血圧の日内変動(一日の間の変化)を把握することが大切です。
早朝と寝る前に、市販の自動血圧計で血圧を測定してみてください。
早朝と寝る前の収縮期血圧(上の血圧)の平均値が135mmHg以上で、しかも早朝の血圧が寝る前より20mmHg以上高い場合は、早朝高血圧の可能性があります。
 早朝高血圧であることがわかれば、早朝までしっかりと血圧を下げておく薬にすることもできます。
まずは、自分の血圧の日内変動をきちんと知り、かかりつけ医とよく相談してください。


指導:杏林大学
    名誉教授 石川 恭三
企画:日本医師会
協賛:ファイザー株式会社