健康トピックス  

早めにチェックを-物忘れ-



年をとると誰でも・・・

 年をとると、誰もが程度の差はあっても、物忘れを自覚するようになり、その傾向は年をとっていくほど、強くなっていきます。
これは脳が縮んで、神経細胞(いわば知識を入れる倉庫)が減り、しかも神経細胞間の連絡路も少なくなることによるものです。
この「物忘れ」が、年をとるにつれて起こる正常な老化によるものか、あるいは病的な老化(アルツハイマー病のごく初期)によるものかは、誰もが気になるところです。


ほとんどない⇒ 0点
時々ある⇒ 1点
頻繁にある⇒ 2点
早めの対策が大事

 物忘れが気になりだしたら、いたずらに心配するのではなく、正常な老化なのか、病的なものかをできるだけ早く確かめ、必要な対策を練ることが大切です。
 そのような場合のチェック方法のひとつとして作成したのが「大友式ぼけ予測テスト」です。
3,4分でチェックすることが可能で、結果は点数で示されます。
 「予測テスト」の結果に基づいて、専門の医師のもとで各種検査を受けるとよいでしょう。

大友式ぼけ予測テスト10問
質 問 事 項 点数
(1) 同じ話を無意識に繰り返す  点
(2) 知っている人の名前が思い出せない  点
(3) 物のしまい場所を忘れる  点
(4) 漢字を忘れる  点
(5) 今しようとしていることを忘れる  点
(6) 器具の説明書を読むのを面倒がる  点
(7) 理由もないのに気がふさぐ  点
(8) 身だしなみに無関心である  点
(9) 外出をおっくうがる  点
(10) 物(財布など)が見当たらないことを他人のせいにする  点
合 計  点

0〜8点⇒ 正常
9〜13点⇒ 要注意
14〜20点⇒ 病的
物忘れが気になるうちは

 一般的に言って、物忘れが気になり困っているという程度ならば、心配は少ないと言えます。
アルツハイマー病の初期になると、むしろ物忘れすることがあまり気にならなくなったり、まったく気にならない、すなわち自分が病気であることを自覚しないことが多くなります。
 物忘れが気になるうちは、健康な老化の範囲内と考えて、老化の進行を防ぐ工夫をしてみましょう。



指導:東京都・浴風会病院 院長 大友 英一
企画:日本医師会
協賛:第一三共株式会社