健康トピックス  

うまくつきあおう-不眠症への対応-



 悩み事があるときやストレスを抱えているときに眠れなくなることは、誰でも経験していることです。
しかし、眠れないということを心配しすぎると、今夜こそは眠ろうと思うあまり、あやまった対処行動をとってしまうことがあります。
そうすると、逆に心身の緊張感を高め、不眠をこじらせてしまいかねません。
眠りに対して気にしすぎないことが、かえって眠れることにつながります。
眠たくなってから床につこう

 眠れなくて睡眠不足だから早く寝よう、と意気込んで早い時刻から寝床に入る人がいます。
しかし、そんなに早い時刻から眠れるものでもありません。また、体内時計の働きによって、前日に眠った時刻の2〜4時間前の時刻は一日中で一番眠くない時刻であることが分かっています。
 眠れないまま布団の中で、どうして眠れないのか、どうしたら眠れるようになるのか、と思っているとかえって眠れなくなります。
少し眠気が出てきたと感じるくらいの時刻に布団に入るようにしましょう。


昼間眠くなければ大丈夫

 適切な睡眠時間は人それぞれです。
3時間睡眠でも十分だったナポレオンのような人もいれば、10時間眠らないと寝不足だったアインシュタインのような人もいます。
年をとると生理的に睡眠時間は短くなりますし、季節によっても睡眠時間は変化します。
昼間眠くなければ、必要な睡眠はとれていると考えられます。
 “健康のために8時間ぐっすり眠らないといけない”という思い込みから離れましょう。

寝酒は不眠のもと

 睡眠薬がわりの寝酒は、むしろ深い睡眠を阻害し、夜中に目覚める原因となります。
また、お酒は常習性が強く、どんどん量が増えていくおそれがあります。
 寝酒よりも、医師によって指示された睡眠薬を服用しましょう。


指導:国立精神・神経センター国府台病院 精神科医長 亀井 雄一
企画:日本医師会
協賛:グラクソ・スミスクライン株式会社