健康トピックス  

睡眠時無呼吸症候群-生活習慣病との関連も-



睡眠中に呼吸が何度も止まる

 寝ている間に、呼吸が一時的に止まる状態を繰り返すのが「睡眠時無呼吸症候群」です。
肥満の人では、のどのまわりに脂肪が多くついているため、睡眠中に上気道(のどの奥)が狭くなり、空気がそこを通ると大きないびきが起こります。
さらに、下の付け根が重力で落ち込み、気道をふさぐと呼吸が止まります。

不眠が生活習慣病のもとに・・・

 睡眠時無呼吸症候群にかかっている肥満の人では、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病を合併している場合が多くみられます。
睡眠中の呼吸の一時停止で酸素不足になる、血圧が上がる、脳が目覚めて深い眠りが妨げられる、血糖値が上がる、などの状態が起こりやすく、生活習慣病に悪影響を与えることが分かっています。
また、それらのストレスが、睡眠時無呼吸症候群に悪影響を及ぼし、さらに、生活習慣病を悪化させるという悪循環に陥ってしまいます。

心当たりがあったら・・・

 大きないびきをかいて呼吸がとぎれていると家族から言われた、昼に眠くて我慢できない、昼間の集中力がない、などの心当たりがあったら、睡眠時無呼吸症候群かも知れません。
まずは、横向きに寝る、など日常生活での対応が必要です。
 ただし、やせている人でも、あごが小さいために発症することもあり、また、子どもではアデノイド肥大や扁桃肥大などが原因になる場合がほとんどです。
症状が長引くような場合は、かかりつけの医師に相談してください。
日常生活でできる
睡眠時無呼吸症候群への対応

 仰向けでなく、横向きに寝る
  (舌の付け根の落ち込みを防ぐ)

 肥満の人は体重を減らす
  (のどのまわりの脂肪を減らす)
 自分の判断で睡眠薬を飲んでいたらやめる
  (多くは筋肉をゆるめる作用があるため)
 寝酒をやめる
  (のどの筋肉がゆるむのを防ぐ)


指導:昭和大学横浜市北部病院耳鼻咽喉科
   講師 門倉 義幸
企画:日本医師会
協賛:武田薬品工業株式会社