健康トピックス  

運動の習慣をつけよう-子どもと水泳-



泳ぐことの楽しみ

 人は生まれながらにして泳げるわけではなく、泳ぎには学習が必要です。
初めて水中の動きを経験した子どもが水泳を学ぶことで泳げるようになり、新しい泳法をマスターできる、というように、学習の効果は水泳の上達として現れます。
このことは楽しい経験となり、自信につながり、向上心が満たされることになります。

水泳は水中の全身運動

 水泳の推進力にはキックだけでなく、腕の動きも用いられます。
泳ぐ姿勢を保つためには腹筋や背筋も使いますから、水泳は全身をバランスよく安全に動かす運動といえるでしょう。
 また水中の運動は浮力の働きにより、膝、腰への体重の負担の心配がありません。
近年増加している肥満症の子どもも、膝や腰に無理なく、楽しんで水中運動を行うことができます。
 プールの湿った環境や、泳ぐ姿勢・呼吸法は、ぜんそくの改善に結びつくとされ、水泳教室が活用されています。
この場合は、かかりつけの医師とぜんそくの状態を相談のうえ、参加してください。
水泳の注意点

 水泳は、比較的ケガをすることの少ない運動です。
しかし滑りやすいプールサイドで転倒する、ターンの時に手足が壁に衝突する、水泳中に人とぶつかる、プールの水で感染する、おぼれるなど、水泳特有のケガ・病気・事故もあります。
 また、長期にわたる激しい水泳の練習は、肩、腰、膝などに使い過ぎによる障害が発生する原因となる場合もあります。
自分に合った内容で水泳を行い、体調の変化があれば早めにかかりつけの医師と相談することが必要です。



指導: 新潟医療福祉大学健康科学部健康スポーツ学科 教授
石川 知志
企画: 日本医師会
協賛: エーザイ株式会社