健康トピックス

高血圧の自己管理を-家庭での血圧測定の勧め-



放っておけない高血圧

 高血圧は生活習慣病の中で最もよく見られますが、ほとんど症状がありません。
放っておくと動脈硬化が進み、脳卒中、心筋梗塞、腎不全や大動脈瘤などの病気を引き起こします。
 一般的に血圧は年齢とともに上がるため、高齢社会のわが国では高血圧が大きな問題になっています。

「白衣高血圧」と「仮面高血圧」

 血圧は人種や年齢、性別、季節などで異なり、一日の中でも変動します。
自分の血圧を正確に知ることが治療の第一歩ですが、医療機関で血圧を測った場合、緊張してふだんより高くなる「白衣高血圧」、逆に医療機関で正常なのに、早朝や夜間、あるいは昼間のストレスで高くなる「仮面高血圧」などの現象が起こることも知られています。

ガイドラインで数値を明記−活用したい家庭用血圧計

 そこで、手軽に測定できる家庭用血圧計が見直されてきています。
家庭では医療機関で測る場合に比べてストレスが少ないので、一般にやや低めの数値が出ることが知られており、日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2004」では、朝食前に測定した血圧が135/85mmHg以上が高血圧と明記されました。
 長期にわたって同じ条件で測れるのが家庭での血圧測定の長所ですから、大いに活用しましょう。
それらの記録をもとに、かかりつけの医師と連絡をとりながら血圧を管理し、生活習慣を見直していきたいものです。

リラックスした状態で、座って計る
指先用、手首用血圧計もあるが、現段階では上腕用血圧計がお勧め
血圧帯は腕にじかに、均等に巻く
タオルなどを敷いて、腕は心臓の高さにする
朝晩計るのが理想だが、1日1回の場合は、起床後30分〜1時間以内、排尿後、朝食前、服薬前、毎日同じ時刻に計る

家庭用血圧計で測ったときの高血圧とは
収縮期血圧 135mmHg 以上
または
拡張期血圧 85mmHg 以上
(日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2004)


指導: 慶應義塾大学 名誉教授 猿田 享男
企画: 日本医師会
協賛: 第一三共株式会社