健康トピックス  

頑固な頭痛 -鎮痛(ちんつう)薬の飲みすぎ?-



鎮痛薬が頭痛の原因!?

 頭が痛い、でも市販の鎮痛薬を飲めば飲むほど頭痛がひどくなる−こんな思わぬ悲劇があります。
 たとえば、初めは軽い頭痛が頻繁に起こって、そのつど市販の鎮痛薬を飲んでいたら、やがて頭痛はほぼ毎日起こるようになり、3ヶ月を過ぎる頃になると症状は悪化、しかも薬がほとんど効かなくなり、ついには寝込んでしまったという実例があります。

薬物乱用頭痛

 これは、頭痛が起こる→早めに鎮痛薬を飲む→脳が頭痛に対して敏感になる→頭痛が悪化する→さらに鎮痛薬を飲むとい悪循環が起きてしまったからです。
 どの鎮痛薬でも、飲みすぎればこのような頭痛を引き起こす可能性があります。

鎮痛薬を飲む
痛みを感じやすくなる
慢性的な頭痛

日常の頭痛がきっかけとなり、・・・という悪循環が生まれます。

“頭痛地獄”から抜け出すには

 鎮痛薬を月に10日以上飲むという状態が3ヶ月間以上続いている場合には、薬物乱用頭痛におちいる可能性があります。
逆に、何日飲んだかにかかわらず、飲んだ回数が月10回未満であればその心配はありません。
 薬物乱用頭痛の悪循環を断ち切るには、まず鎮痛薬の連続服用を中止しなくてはなりません。
そのうえで適切な治療を受ければ“頭痛地獄”から抜け出すことができます。
有効な薬もありますから、心当たりの症状がある方は、かかりつけの医師を受診してください。



指導: 温知会間中病院 院長 間中 信也
企画: 日本医師会
協賛: エーザイ株式会社