健康トピックス  

心電図検査を定期的に -こわい不整脈-



不整脈とは?

 心臓は1日に約10万回、ポンプのように動いて全身に血液を循環させています。
この収縮・拡張の働きは規則正しく行われていますが、そのリズムが乱れるのが不整脈です。
不整脈は多くの人にみられ、年をとるにつれ誰でも少しずつ増えていきますが、それほど心配ない場合がほとんどです。

脈の速さや乱れ

 不整脈では一般にあまり自覚症状はありませんが、程度がひどくなると症状が現れます。
心房細動      
心房が細かく動くことで心臓の機能が低下し、血液がよどみ血栓ができやすくなり、脳梗塞を起こす可能性が高くなる
※心房:血液をためて心室に送り込む器官
心室細動
心室が小刻みに震えて心停止と似たような状態になり、全身に血液を送ることができなくなる
※心室:全身へ血液を送る器官

異常に脈が早くなる(頻脈)と動悸がしたり、反対に脈が遅くなる(除脈)とめまいがし、脈が抜ける(期外収縮)とドクンとしたり、きゅっと胸が痛むなどの症状が出ます。
不整脈のうち代表的なのは、血のかたまり(血栓)による脳梗塞につながりかねない心房細動や、心臓突然死の原因の8割といわれる心室細動です。

心電図を定期的にとりましょう

 ストレスや喫煙、睡眠不足などで出る不整脈はあまり気にする必要はありませんが、生活習慣を見直しましょう。
同じタイプの不整脈であっても、すでに心臓の病気(心筋梗塞、心不全、弁膜症等)がある場合には、命に係わる危険な不整脈の引き金になるので、とくに注意が必要です。
 
 たまにしか出ない不整脈の診断には、定期的に心電図を測定してもらうか、携帯型心電計の利用をおすすめします。
もし以下のような自覚症状があったら、危険な不整脈がかくれているサインかもしれません。
できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

 こんな症状があったら
特に原因がないのに意識が薄れたり、急に失神したりする
脈拍が1分間に40以下くらいに減り、強い息切れがある(除脈)
脈拍が1分間に140以上くらいに増え、突然動悸が起こる(頻脈)
脈がとんだり抜けたりバラバラに打つ
ストレスや過労によっても以上のような症状が現れることがありますが、
たびたび起こったり長く続いたりする場合は注意が必要です、


指導: 国際医療福祉大学三田病院 病院長 小川 聡
企画: 日本医師会
協賛: 第一三共株式会社