健康トピックス  

治療は必要? -扁桃肥大(へんとうひだい)-



扁桃肥大って言われたけれど・・・

 学校の検診などで扁桃肥大と診断されることがあります。
これは口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)が大きいことをいいます。
口蓋扁桃はもともと成長に伴って大きくなる時期があり、それを過ぎると再び小さくなる性質があります。
通常、5〜9歳ころに最も大きくなりますが、これらの経過には個人差があります。
現在社会的な問題となっている睡眠時無呼吸症候群やいびき症は、大人になっても口蓋扁桃が大きいためかもしれません。
これらの呼吸障害がなく、炎症などもなければ、子どもでも大人でも治療の必要はありません。
 
どんなときに治療が必要?

 炎症が起こると、口蓋扁桃はさらに大きくなって、その周囲が赤くなったり、押すと膿が出るようになり、発熱、頭痛などの症状も伴います。
このような炎症の状態が繰り返したり、慢性化したり、あるいは口蓋扁桃の炎症がもととなって体の他の部位にまで障害を起こしている場合(病巣感染)に、はじめて手術によって切り取るかどうかを考えます。
先に述べた睡眠時無呼吸症候群などの原因になっているときも治療が必要です。
炎症の慢性化予防には、ポビドンヨードなどによるうがいが効果的です。
 心配なときは、一度、耳鼻咽喉科の専門医にご相談ください。



指導:日本医科大学
    耳鼻咽喉科 助教授 大久保 公裕
企画:日本医師会
協賛:第一製薬