健康トピックス  

潜伏していたウイルスが・・・ -帯状疱疹(たいじょうほうしん)-



チクチクした痛みと水ぶくれが

 帯状疱疹は顔、胸から背中、お腹などの左右どちらかに生じるチクチクとした痛みから始まります。
やがて赤いボツボツができ、小さな水ぶくれの集合になり、痛みはいっそう強まります。
その後、水ぶくれが濁って黄色くなり(膿胞)、およそ1ヶ月ほどでカサブタがとれて治っていきます。
しかし、なかには潰瘍や瘢痕になる場合もあります。


ウイルスが原因

 子どもの頃によくかかる水ぼうそうと同じウイルスが原因です。
普通、水ぼうそうが治ったあとにもウイルスが体の中(神経節)にひそんでいますが、大人になって疲労、ケガ、老化などをきっかけに再活性化すると帯状疱疹が発症します。
ウイルスは神経を伝わって広がり、水ぶくれも神経に沿って片側だけ帯のようになることが多いので帯状疱疹といわれます。
神経に関係しているため、チクチク、ピリピリした痛みが起こります。

帯状疱疹後神経痛にご注意

 帯状疱疹が普通の大人にうつることはまずありませんが、まだ水ぼうそうにかかっていない子どもや妊婦、病人に対しては注意が必要です。
水ぶくれが破れると細菌感染を起こす原因になりますので、つぶさないようにしましょう。
 帯状疱疹が治っても痛みが残ることがあり、特にお年寄りになるほど多い傾向があります。
また、目の角膜にできて視力が低下したり、まれに髄膜炎や脳炎を起こすこともあるので、医師の診察を受けることが大切です。


指導:昭和大学医学部皮膚科
    教授 飯島 正文
企画:日本医師会
協賛:ファイザー株式会社