健康トピックス  

おしっこで悩んでいます-前立腺肥大症-



ひとくちに排尿障害といっても・・・

 「おしっこの出方がおかしい」という排尿障害は大きく分けて3つあります。
頻尿(回数が多すぎる)、尿失禁(もれる)、排尿困難(出にくい)の3つです。
 生活習慣にもよりますが、おしっこの回数が昼間8回、夜2回程度までは正常とされています。
それよりも回数が多い、あるいはおしっこが出にくい・出ないなどの症状で、悩んではいませんか?



前立腺肥大症による症状

 性別によって違いはありますが、病気として特に問題になるのは男性の前立腺肥大症による排尿障害です。
 多くの男性で前立腺は老化とともに肥大しますが、前立腺が尿道に接しているため排尿障害が起こります。
ただ肥大する方向などによって無症状のこともあり、病院を受診するのは前立腺肥大のある人の3、4割くらいといわれています。
最初はおしっこの回数が多くなり、症状が進行してくると出にくくなってきます(表)。

表 前立腺肥大症の進み方
第1期 夜のおしっこの回数が増えたり、残尿感がある。
腎臓の機能は正常
第2期 おしっこが出にくくなり、ときに出なくなる。
腎機能低下のこともある
第3期 おしっこが出なくなる。
腎機能低下のことが多い
おかしいと思ったら、まず相談を

 前立腺肥大症による排尿障害は腎臓の機能と関係することもあり、放っておくのはよくありません。
おかしいと思ったら、1人で悩まずに、かかりつけ医に相談しましょう。
 また、薬の中にはおしっこが出にくくなったり、もれやすくなったりする作用のある薬もありますから、排尿障害で受診する場合は、今飲んでいる薬の名前をあらかじめメモしておくとよいでしょう。



指導:大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(泌尿器科学) 教授 奥山 明彦
企画:日本医師会
協賛:第一製薬