健康トピックス  

このごろ増えています-肺塞栓症-



血液は肺できれいにされて、全身をめぐり、大静脈、心臓を経て肺に戻ります。
そのとき、大静脈(主に下半身)で血液の流れが悪くなって血のかたまり(血栓)ができ、それが肺に達すると「肺塞栓症」を引き起こします。
生活や食事の欧米化で、近年、肺塞栓症が増えています。
旅行者血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)もそのひとつです。
重症の場合は命にかかわることもあります。

主な原因として、体を長時間動かさないことがあげられており、また、手術後に発症が多いことも指摘されています。
呼吸困難や胸の痛み、咳や血のまじった痰などが代表的な症状です。

長距離旅行の際の予防法としては、弾性ストッキングをはいたり、足首の関節を動かして、足の血液の流れをよくすることが勧められます。
水分もまめにとってください。
気になる症状があったら、早めにかかりつけ医に相談しましょう。



指導:三重県病院事業庁/三重大学名誉教授 中野 赳
企画:日本医師会
協賛:武田薬品工業株式会社