二見いすず: 今月のテーマは婦人病・更年期です。
今日から5回にわたってお話いただきますのは、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえ まさゆき)ドクターです。
波多江さん、よろしくお願い致します。

波多江正紀Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 波多江さんは現在鹿児島市立病院の産婦人科部長でいらして、鹿児島市立高等看護学校の校長先生もしていらっしゃいます。
ご専門は産婦人科なんですが、波多江さん特に気がかりなことというのはどのようなことがありますか。

波多江正紀Dr: 婦人科で取り扱う疾患の中で、性行為感染症がその中でも特に若い人、10代・20代の人の性行為感染症が増えているということと、もう一つは我々が扱います悪性疾患の中で子宮体がんが非常に増えてきている。
過去には子宮頸部がんが一年間に130例一路しているときに対がんは25例ぐらいでしたけども、最近は子宮頸がん70・80に対して子宮体がんは45例。
非常にバランスが変わってきまして、後20年くらい経つと子宮対がんが多くなるのではないかと、恐らくアメリカと同じような疾患パターンになるだろうということを心配しています。

二見いすず: 今、子宮体がん・子宮頸がんというお話がありましたが、私どもが子宮がんというふうに申しますけども、2つのがんがあるということですか。

波多江正紀Dr: 子宮がんには、子宮頸部におこる子宮頸部がんと、子宮体部におこる体がんがありますが、発生の原因は全く違うんですね。

二見いすず: 子宮体がんが急増しているというお話だったんですが、これについて何か原因があるのでしょうか。

波多江正紀Dr: はい。
背景因子では肥満・糖尿病・高血圧とか非常に多いということは分かっておりますが、原因はそういった方の女性の体についている脂肪組織で女性ホルモンがたくさんつくられておりますので、卵巣から出てくるホルモンとのアンバランスが体がんをつくるだろうと考えられています。

二見いすず: 子宮がん検診を私どもはよく受けますが、このときには子宮体がんまで受けられるんですか。

波多江正紀Dr: 受けることはできますが、多くの場合は頸部だけされてることが多いですので、今申し上げたようなリスク因子を持っている方とか不正出血のある方は是非自ら訴えて検査を、子宮の奥までしていただくようにいっていただきたいと思います。

二見いすず: 例えば、先程の要因ではなかろうかというお話がありましが、肥満・高血圧・糖尿病お持ちの方、あるいは

波多江正紀Dr: 子どもを産んでいない人ですね。
排卵が起こらない

二見いすず: それから不正出血があって気がかりだというようなことは是非子宮体がんまで検診を受けていただきたいということですね。

波多江正紀Dr: しかも、45歳以下の対がんが増えていることは世界中で有名なことですので是非若い人でも不正出血があったり、リスクをもった人は検診を受けていただきたいと思います。

二見いすず: がんといいますと、中高年の病気というイメージがありますが、そうではないんですね。

波多江正紀Dr: はい。
子宮体がんも20代でもあります。

二見いすず: そうですか。
そういうことを考えますと本当に自分の体を大切にがん検診の機会を大切にしていただきたいというふうに思います。
さて、来週ですが、更年期障害についてお話していただきたいと思います。
来週もよろしくお願い致します。

波多江正紀Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: お話は鹿児島県医師会の波多江正紀ドクターでした。
ありがとうございました。