二見いすず: 今月のテーマは婦人病・更年期に関して伺っています。
お話いただきますのは、先週に引き続き鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえ まさゆき)ドクターです。
波多江さん今週もよろしくお願い致します。

波多江正紀Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 今日はHPV・子宮けいがんについてお話をいただくということなんですが、まずHPVというのはこれはなんでしょうか。

波多江正紀Dr: これは日本語で訳しますと人乳頭腫ウイルスといいまして。

二見いすず: ウイルスですね。

波多江正紀Dr: はい。
今70種類位ありますが、その中のタイプ16と18というものが非常に子宮けいがんを起こしやすいということが分かっています。


二見いすず: そのウイルスにこのHPVのウイルスに感染するとその先に子宮けいがんになりやすいと。

波多江正紀Dr: 子宮けいがんになっている人の90数パーセントはこのウイルスが必ず検出されると。
しかもHPVというウイルスは前回お話しましたように性感染症と同じルートで感染しているということです。

二見いすず: 子宮けいがんの自覚症状はどういったものがあるのかお聞かせいただけますか。

波多江正紀Dr: はい。
一般的には子宮けいがんの検診のキャッチフレーズはおりものがある人・不正出血がある場合には検診を受けてくださいといっておりますが、これは早期がんであればラッキーですけども、しばしば進行がんであることが多いので、是非皆さん方はパートナーが出来た場合には一年に一回は自分を守るという意味でがん検診を受けるということをしていただきたいと思います。

二見いすず: 今、うかがったお話によりますと、子宮けいがんが若い方も発症しやすい背景があるような気が致しますが。

波多江正紀Dr: その性行為感染症と関係がありまして、やはり若い時期にこのウイルスが入ってきますので、若い人では10代でも日本で子宮けいがんがありますし、我々の病院でも20歳の治療をしたことがあります。
しかも、今でも妊婦さんはほとんどがん検診をするようにしておりますけども、妊娠として来た時に子宮がんが見つかってしまうということもまれなことではないということになってきています。

二見いすず: そういうのをうかがいますと本当に自分の体を守るのは自分ですので、がん検診40歳以上と一般的には言われますけれども、やはり気になることがあったり、あるいは若い方でもがん検診受ける必要があるんですね。

波多江正紀Dr: そういう機会があって、我々が一番知っているのは半年して、もう子宮けいがんになった人もいるようですね。
発生する時期は短期から長期にわたりますけども、是非パートナーができたら検診を受けるということは励行していただいた方がいいと思います。

二見いすず: そして、喫煙も何か関係があるんですか。

波多江正紀Dr: はい。
統計学的には喫煙する人はそれだけでリスクが増えますが、やっぱりそういったたばこを若い時からのむような方々はやはり性行動は少し違うんではないかというふうに学問では考えられております。

二見いすず: まあ。
そういうデータがあるということですね。
お話いただきましたようにそのHPV、このウイルスから子宮けいがんになる可能性が高いということでやはり自分の体は自分で守るということが一番大事なんですね。
波多江さん、来週は番組にいただいたご質問にお答えいただきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

波多江正紀Dr: お願い致します。

二見いすず: さて、MBCラジオのホームページ・このコーナーにご協力いただいております鹿児島県医師会のホームページでもこの番組のバックナンバーがご覧いただけます。
休日当番医等の情報も出ていますので是非こちらへもアクセスしてください。
そして来月12月のテーマ「インフルエンザ」についてのご質問・疑問もお待ちしております。