二見いすず: 今月のテーマは婦人病・更年期についてうかがってまいりましたが、最終週の今日は番組にいただいた質問を取上げてみます。
お話をいただきますのは、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえ まさゆき)ドクターです。
波多江さんよろしくお願い致します。

波多江正紀Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: では、ご質問を紹介してお答えいただきたいと思いますが、
「私はここ5ヶ月程時折、生理以外に少量の出血があります。がんを疑うべきでしょぅか。」という鹿児島市内の43歳の主婦の方からのご質問です。

波多江正紀Dr: 我々、こういう不正出血の方がこられた場合には生理との関係とか持続的に起こるのかとかポツポツ日に少しずつ出血するとか色んなパターンによってある程度病態を想像しますけども、少なくとも我々の外来ではまずがんでないということの診断をつけてから次に移っていくというプロセスが必ず必要ですのでまずがん検診を受けていただきたいと。
よくこういう知識をある程度もっておられる方は排卵日の頃の出血だと自分で思い込んで実際はちゃんとしたがんだったということがあると一番損をしますので是非一年に一回はということも含めて検診を受けていただきたいと思います。
それから次を考えればいいと思います。

二見いすず: そうですね。
いずれにしても不正出血など気になることがあったら一日も早く専門医を尋ねてみるということですね。
自己診断はよくありませんね。

波多江正紀Dr: はい。

二見いすず: はい。
分かりました。
続いてですが、川内市にお住まいの男性の方から、「奥様が最近更年期の様ということでどのように接したらいいのか教えて下さい」というご質問なんですが。

波多江正紀Dr: おそらく奥様が更年期というのは短期的に発症するような顔が火照るとか寝れない・頭が痛い・手足が冷たいというようなかなりご本人にとってはつらい症状だろうと思いますが、もう一つは長期的な骨粗鬆症とかありますけども、どちらのことを考えても積極的に自律神経の症状に対してはホルモン補充療法で短期的に介入したりするほうが早く治るかもしれませんけども、そればかりではなくご夫婦でジョギングをしたり、新たな趣味を作るとか一緒にワインを飲むとか一緒に旅行するとかそういったことを含めて色んな工夫をすることによっていろんな方法が取れると思います。

二見いすず: 更年期についてはこれまでお話いただいておりますが、激しい症状と長い期間にわたるものとあるということでしたけども、やはり激しい症状は別にして心の持ちようで随分軽減されるというところもあるようですね。

波多江正紀Dr: 3分の1くらいの症状は心の問題だろうと思います。
落ち込んだり、ひきこもったりとかいうこともよく言われていますのでそういう家族の積極的なサポートというのも必要だと思います。

二見いすず: これを機会にご夫婦一緒で過す時間が増えると、それはそれでいいことでしょうね。

波多江正紀Dr: そうですね。
そういう切り替えが大事だと思います。

二見いすず: さて、5週にわたって婦人病・更年期についてうかがってまいりましたが最後にまとめの意味をこめてお話いただけますでしょうか。

波多江正紀Dr: 更年期というのは、ホルモン補充療法を一つお話いたしましたけども、他にもいろいろ方法はありますし、身体的なもの精神的なものはそれなりの工夫がまだいろんな方法がとれるということ。
もう一つは、がん検診は症状があったら検診を受けるんではなくて、年に一回は自分の健康をチェックする意味合いで、普通のこととして受けていただきたいと思います。

二見いすず: 5週にわたり貴重なお話をありがとうございました。
波多江正紀ドクターでした。
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