二見いすず: 健康や病気への不安・疑問について鹿児島県医師会の専門のドクターにお答え頂くコーナーです。
お酒を飲む機会が増えるシーズンですが、今週と来週は「アルコール依存症」についてお聞きします。
お話は鹿児島県医師会 竹元隆洋(たけもと たかひろ)ドクターです。
竹元さんよろしくお願い致します。

竹元隆洋Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 竹元さんにお話をお聞きする前に先週のテーマ「インフルエンザ」に関しましてリスナーの方からご質問がきていますので、少しお時間を頂きたいと思います。
名瀬市にお住まいの主婦・山下さんからのご質問です。
私の70歳になる父親は、今年の10月にインフルエンザの予防接種を受けたのですが、本格的なインフルエンザのシーズンといわれる1月・2月も予防効果はあるのでしょうかという内容です。
先週のゲスト・池田ドクターにお聞きしましたところ、「大丈夫です。10月に接種したワクチンの効力の指標となるHI抗体化は4ヶ月後でも通常の100倍から1,000倍という高い値を維持していると考え、1月・2月でもその効力は期待できるでしょう。」ということでした。
山下さん、ご納得いただけましたでしょうか?
ということで、今週のテーマですが、竹元さんは30年来アルコール依存症を専門にしていらっしゃるということですが、これはちゃんとした病気だということなんですね。

竹元隆洋Dr: そうです。
アルコールというのは、体内から排出するまでに約3日かかるんですね。
毎日飲んでますと、常時体内にアルコールが入っているということになります。
そうなると、体内にアルコールが入っている状態に体が慣れてきます。
もし、アルコールが切れてきますと体が欲求するということが起こってきます。
だから、やめられなくなる。
さらに、やめ続けると禁断症状が出ると。
まさに、りっぱな病気なんですけども、その病気は治療をすれば必ず良くなりますし、健康保険でも適用できますから、早めに治療に取り掛かって頂きたいと思いますね。

二見いすず: 病気であるということを認識しなくてはいけませんね。

竹元隆洋Dr: そこが皆さん曖昧ですね。
ただの「のんべい」だとか、のみ癖が悪いとかそういうふうに思っている人もおります。
今のこの時期、クリスマスだとか忘年会・新年会というこの時期になりますと、酒浸りという状況になります。
アルコール依存症というものが、急性のアルコール中毒という状況が起こりやすくて、そういう状況になりますと呼吸停止・心停止ということまで起こりやすいですね。
ですから、学生さんが一気飲みをするなどというのはとても危険なことなんです。

二見いすず: 命にかかわるんですよね。

竹元隆洋Dr: ええ。
中学生や高校生でもたくさんの人が飲んでいるというデータがありますけれども、そういう若い人が飲酒しますとアルコールに体が早くなれてしまうんですね。
物質代謝が非常に活発ですから、早くなれてしまって、自分の手と口で依存症になる基礎を作ってしまうということがあります。
若い時は、絶対に飲んではいけないということを注意していただきたいと思いますね。

二見いすず: 大変深刻な問題ですよね。
ありがとうございました。
続きはまた来週、お願いしたいと思います。
竹元さんにお話をして頂きました。