2004.2.7
第41回放送分『花粉症』 ゲスト:江川俊治ドクター


二見いすず: 早いもので、もう2月になりました。
そこで今月は、そろそろ気になる花粉症につきまして、鹿児島県医師会の江川俊治(えがわ としはる)ドクターに詳しいお話を伺って参ります。
江川さんどうぞよろしくお願い致します。

江川俊治Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 江川さんは、耳鼻咽喉科がご専門で花粉症の患者さんも多数治療していらっしゃるわけですが、そもそも花粉症というのはどのような病気なんでしょうか。

江川俊治Dr: 2月になりまして花粉症の季節になりましたが、アレルギーという言葉を一度は聞かれたことがあると思います。
ごく簡単に説明しますと、ある特定のものに対して普通とは異なった過敏な反応を起こすことがアレルギーです。
このことによって起こる病気がアレルギー性の疾患で花粉症というのは一般に花粉が原因で起こるアレルギーを花粉症というわけです。
今、花粉症は花粉が原因で起こるとお話しましたが一般的に花粉症といいますと杉花粉症を思い出しますが、花粉症を起こす花粉は杉だけではありません。
ヒノキ、カモガヤ、ブタクサというような樹木や雑草の花粉でも花粉症は起こりますが、この時期一番問題になり、話題になるのが杉花粉症というわけです。

二見いすず: その花粉症の中でも杉花粉が特にとり立たされるのには何か理由があるんでしょうか。

江川俊治Dr: 戦後まもない頃、治水とか山を保護するために大量の杉が植えられましたが50年経ちましたのでその杉が大きくなってきました。
また他の木に比べますと、花粉が多く山の斜面に植えられておりますので杉花粉は気流にのって風にあおられて、広範囲に散布されますので杉花粉症が増えるというわけです。
杉の花粉は前年度夏の気象状況によりまして量が大きく変わります。
猛暑で、雨が少ない翌年は花粉が多く、冷夏で長雨の翌年は少ないといわれております。
昨年の夏は梅雨明けが遅くて冷夏でしたので、今年は全国的には少ないと予想されてはおりますが、九州南部は平年並みと予想されております。
鹿児島県では杉花粉は2月から4月にかけて、ヒノキの花粉は5月の連休明けくらいまでは注意が必要だと思います。
始めに話しましたように花粉症の花粉は杉だけではありません。
5月以降もカモガヤ、夏から秋にかけてはブタクサなどの花粉が飛びますけども、杉花粉のように遠くまで飛んでいくということはありません。

二見いすず: いずれにしましても、花粉症の方々にとってはしばらくつらい時期が続くということになります。
江川さんお話ありがとうございました。

江川俊治Dr: ありがとうございました。

二見いすず: 鹿児島県医師会の江川俊治ドクターでした。
来週も花粉症についてお話を伺って参ります。
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