二見いすず: | 今月は花粉症についてお聞きして参りました。 お話は今週も鹿児島県医師会の江川俊治(えがわ としはる)ドクターです。 江川さんよろしくお願い致します。 |
江川俊治Dr: | よろしくお願い致します。 |
二見いすず: | まず最終週の今日は花粉症にならないためのアドバイスというのをお願いできますでしょうか。 |
江川俊治Dr: | 日常生活で気をつけるということは花粉を吸い込まないようにする、または花粉に触れないようにすれば症状は起こらないわけです。 天気予報とか花粉情報に注意しながら晴れた日の風の強い日はなるべく外出しないようにします。 外出をするときは帽子をかぶりマスクをし、眼鏡をかける。 出来れば花粉のつきにくい素材の洋服を着るということも大切です。 部屋に入るときは、洋服の花粉をよく落として部屋に入ったら、顔・目・手をよく洗います。 鼻も洗うことが大切ですが、水で洗うと痛いと思いますのでぬるま湯で洗うとよいと思います。 天気が良くて風があって、花粉が飛びそうだなという日は窓を閉めて洗濯物は室内に干します。 外に干した洗濯物は、取り入れるときはよくたたいて花粉を落としてから取り入れていただきたいと思います。 |
二見いすず: | 花粉症というのはどのくらいで完治するものなのでしょうか。 |
江川俊治Dr: | 一般的に慢性の病気は多少の症状がありましても、日常生活に支障がなくて治療を必要としない状態が続くようであれば治ったというふうに考えます。 アレルギー性疾患の中でも、喘息とかアトピー性皮膚炎は子供の時にはじまりまして中学生くらいの年齢になりますと自然に治ることが多いといわれておりますが、花粉症は自然には治りにくい疾患です。 毎年、花粉症にかかりやすい人はだいたい自分で予測できますので花粉が飛びそうになる2、3週間前から予防的に薬を飲んで下さい。 良くなったらやめる、悪くなったら飲むというのでは効果がありません。 花粉症の症状を一時的になくすること、軽くするということは可能ですけども、二度と起こらないようにということはなかなか難しいことと思います。 |
二見いすず: | さて、最後に花粉症の方に対するまとめということでアドバイスをお願いできますでしょうか。 |
江川俊治Dr: | 毎日の生活習慣で心掛けることは、やはり疲れを溜めないということです。 疲労しますと自律神経が過敏になりまして、アレルギー反応を起こしやすくなります。 同時にストレスを解消する、または皮膚を鍛錬するということも大事です。 特に、運動不足による体の衰えとか冷暖房の中で生活をしておりますと、暑さ寒さの適応力が低下しますので、適度の運動や乾布摩擦を心掛けてストレスを上手にコントロールしていただきたいと思います。 また、刺激物は避け、栄養のある、バランスの良い食生活を習慣づけるということも大切です。 花粉症にかかりましたら、窓や戸はしっかり閉め部屋を清潔にしてゴルフとかジョギングなどの戸外スポーツは控えます。 また部屋が乾燥しないように加湿器などを使って湿度を保つように気をつけます。 鼻詰まりがひどいといって点鼻薬を使い過ぎますと鼻の粘膜がなお腫れて鼻詰まりがひどくなりますので点鼻薬は使い過ぎないように気をつけながら気長に治療することが大切だと思います。 |
二見いすず: | 4週にわたって江川さんに花粉症についてお話をしていただきました。 どうもありがとうございました。 |
江川俊治Dr: | ありがとうございました。 |
二見いすず: | お話は、鹿児島県医師会の江川俊治ドクターでした。 |