2004.4.3
第49回放送分『眼病』 ゲスト:大山美智子ドクター


二見いすず: 日ごとに暖かくなってすっかり春めいてまいりました。
花々が目にまぶしい季節です。
今月はその目にちなんだテーマ「眼病」目の病気についてお話を伺ってまいります。
お話をして下さいますのは鹿児島県医師会の大山 美智子(おおやま みちこ)ドクターです。
大山さんよろしくお願い致します。

大山美智子Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: ドクタートークのコーナーでは初めての女性のドクターの登場です。
大山さんは40年あまり眼科医として診療にあたっていらっしゃいます。
今月は「目の病気」をテーマに取り上げましたが、大山さん、春のこの時期に目の病気をテーマに取り上げたのは何か理由がございますでしょうか。

大山美智子Dr: 春になって暖かくなりますと、皆さん外に出る機会が多くなって花粉・異物・ウイルスとかいろんなものに目をさらされることになるわけですね。
そうなってきますと、結膜炎が起こりやすくなってきます。
結膜というのは、だいたいまぶたの裏側から黒目までの膜を言っております。
これには大きくわけて3つの結膜炎があります。
一つは細菌性、一つはアレルギー性、一つはウイルス性、いわゆる流行性結膜炎と言われているものです。

二見いすず: 症状はどのようなことが出るのでしょうか。

大山美智子Dr: 結局、まぶたの裏がゴロゴロしたり、メヤニが出たり、涙が出たり、それから他覚的には濾胞がでたり、乳頭が増殖したり、充血したりということがあります。

二見いすず: ちょっと難しい言葉ですけど、濾胞・乳頭と言いますと。

大山美智子Dr: まぶたをひっくり返したところに、ぶつぶつが出てくるわけです。
それと折り返ったところに、小さい乳頭が増殖します。

二見いすず: ぶつぶつがですね。
3つ結膜炎があるというお話でしたが、種類によって症状が違うということがあるのでしょうか。

大山美智子Dr: 全然違うと思います。
アレルギー性結膜炎は、かゆみが主体になって、涙が出たり皮膚にも症状を及ぼしてきますし、ウイルス性のもの、いわゆる流行性角結膜炎というのは黒目、すなわち角膜に炎症がきたり、結膜にきたりします。
他に結膜下出血というのが起こるのもあります。

二見いすず: どの結膜炎であるかということをはっきり知るということも大事な事なんですね。

大山美智子Dr: そうですね。

二見いすず: はやり色々な検査が必要になってくるわけですね。
はい。
わかりました。
その結膜炎ですが、原因は社会環境の変化につれて少し様変わりしているようですが、どのようなことが言えますか。

大山美智子Dr: 流行性眼疾患、いわゆるウイルス性結膜炎は夏場に多かったのですが、今建物も気密性が高くなったり、一年中温水プールがあったりして色んな細菌・ウイルスにさらされる機会が多くなったので冬場でも流行性のものが出ることがあるのです。

二見いすず: 最近は、夏場だけの病気とは言えないわけですね。

大山美智子Dr: はい。

二見いすず: はい。
また来週よろしくお願い致します。
有難うございました。

大山美智子Dr: 有難うございました。

二見いすず: お話は、鹿児島県医師会の大山 美智子ドクターでした。