二見いすず: 今月は「五月病」、そして「心の問題」について伺って参りました。
お話は鹿児島県医師会の竹元隆洋(たけもと たかひろ)ドクターです。
今週もよろしくお願い致します。

竹元隆洋Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 五月病と心の問題について、先週まで年代別のお話を伺って参りましたが、最終週の今日はまとめということでお話をお願い致します。

竹元隆洋Dr: はい。
今まで、学生・大人の問題色々お話をしてきましたが、やはりこの4月・5月というのは様々な問題が発生しやすい時期だということで、ある程度ご家族も注意しながら見守ってあげたいと思います。
新しい環境に適用できるかどうか、うまく順応できるかどうかというのが一つの問題ですし、それがうまくいかなかったとき、不登校や出勤拒否というような問題が出てくるわけですね。
その不登校や出勤拒否の状態から早く回復することが出来れば、これは問題はたいしたことはないんですけれども、うまくいかずにずっと続いてしまう。
例えば小学校三年生の時に、学校に行かなくなった。
四年生になっても、五年生になっても、中学生になっても学校に行けないという長期の問題が、今盛んに問題にされて、それをひきこもり状態と呼んでいます。
こういったひきこもりの人たちが今は全国でおそらく80万から100万人位いるのではないかと。
そうしますと、鹿児島県では2万人位はいるのではないかという数値になります。
ひきこもりの人たちの内、約50%は不登校からの移行だというふうなデータがあります。
ひきもりの状態ですけれども、人によって様々なんですが、共通して言えることは、人からの批判とか人から拒絶されるということや、あるいは自分が傷つきそうな場を非常に怖がるということですね。
これはやはり対人関係の問題に弱いといえば弱いわけです。
もう一つは、そういう環境の中に出ることを怖がって、新しいことが何も出来ない。
そうすると一番安心・安定なのは家の中だということに結論的にはなってしまいます。
そういうふうな人たちがたくさんいるわけです。
では、どうすればいいかという問題がありますが、最近は、親、家族、本人との心の接点が出てきだすと、回復するとよく言われます。
心の接点が出来るということは、すなわち対話が出来るという状況ですね。
そういう状況が出てくるとうまくいきだすということと、仲間をつくるということですね。
仲間をつくるということについては、フレンドスペースという言葉を使いますけれども、居場所をどこかつくってあげる。
グループホーム、あるいは自助グループという仲間をつくること、それから親の場合は、ひきこもりの親の会等というものが鹿児島県にもあります。
そういったものに参加して、勉強して正しい理解をしてあげるということが非常に大事ということです。

二見いすず: やはり何でも話せる場所があるということは大切なことですし、それと周りの正しい理解があるということも皆さんにとっては大切なことになってくるわけですね。

竹元隆洋Dr: そうですね。
心の支援・サポートというのが何より大事ということですね。


二見いすず: はい。
わかりました。
5週にわたって貴重なお話をどうもありがとうございました。
 
竹元隆洋Dr: ありがとうございました。

二見いすず: お話は鹿児島県医師会の竹元隆洋ドクターでした。
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