2004.6.5
第58回放送分『食中毒』 ゲスト:池田琢哉ドクター


二見いすず: 今月は、ジメジメした日の続くこれからの季節に多い「食中毒」について伺って参ります。
お話は鹿児島県医師会の池田琢哉(いけだ たくや)ドクターです。
どうぞよろしくお願い致します。

池田琢哉Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 池田さんには、昨年も同じテーマでお話を頂いたんですが、この食中毒というのは6月からが本格的なシーズンと言われているそうですね。

池田琢哉Dr: 昔はそうだったんですが、最近は食中毒というのは一年を通して発生しやすい状況にあります。
その理由としては、ご存知の通り輸入食品が半分近く、非常に増えているということ。
冬場等でも、家庭内の暖房の完備等がありますから、非常に菌が増殖しやすいと、そういうことが理由としてあると思います。
しかしながら6月から、9月・10月は、細菌性の食中毒が多くなる季節であるということには変わりはないわけです。


二見いすず: やはり気温の高い日が多いということですね。
それでは鹿児島県内の発生状況はどのようなことになってますでしょうか。

池田琢哉Dr: はい。
全国的には毎年2、3万人の人が食中毒の患者さんとして報告されているんです。
去年の平成15年1月から12月までの鹿児島県での発生状況を見てみますと、全部で29件ありまして、人数的には465人の届出がなされていました。
その内分け、どこで発生したかということなんですが、飲食店、仕出し弁当ですね。
そういうものが約20%。
それから家庭内での発生というのが約15%あったわけです。
しかしながら、家庭内での発生というのは集団発生というわけではなくて一人、二人ということもありますので、案外届出以上に多いということが予想されているわけです。

二見いすず: まだまだ家庭内では起きている可能性があるということですね。
外食によるものは、ある意味防ぎようがないのかもしれませんね。
家庭内でも意外と多いというのがちょっとびっくりしたんですが、その原因としてはどんなものがありますでしょうか。

池田琢哉Dr: 食中毒の原因というのは、大きく分けてウイルス性のものと細菌性のものとあるわけですね。
今まで一般的には細菌性のものがウイルス性の約5倍と言われていたわけです。
ところが最近は、検査が出来るようになりまして、ウイルス性のものが非常に多く検出されるようになりまして、特に今年から去年あたりは、ノロウイルスという新聞なんかでもよく見られたと思いますが、そういうウイルスが増えてきているんですね。
そういうことが特徴ではないかと思います。
全国的に見ますと、細菌性のものを見ますと第1位がサルモネラ菌、第2位がウエルシュ菌、第3位が腸炎ビブリオ菌というデータが出ています。

二見いすず: 原因がつかみやすくなってきたということがありますと、その手立てもまた出来てくるということもありますでしょうか。

池田琢哉Dr: そうですね。

二見いすず: はい。
わかりました。
また来週、続きをお願い致します。

池田琢哉Dr: はい。
よろしくお願い致します。

二見いすず: お話は鹿児島県医師会の池田琢哉ドクターでした。