2004.6.12
第59回放送分『食中毒』 ゲスト:池田琢哉ドクター


二見いすず: 今月は食中毒について伺っています。
お話は鹿児島県医師会の池田琢哉(いけだ たくや)ドクターです。
今週もよろしくお願い致します。

池田琢哉Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週は鹿児島県内の昨年の食中毒の発生状況等を伺いましたが、もう少し詳しくお話をお願い致します。

池田琢哉Dr: はい。
鹿児島県の平成15年の食中毒についてでございますけれども、食中毒29件の内訳をみますと、冬場を中心にノロウイルスが12件ありました。
その他サルモネラ菌が5件、4月・7月・8月・10月にありました。
それからセレウス菌というのが3件ありまして、これが4月・8月・9月に起こっています。
その他、ちょっと珍しいのですが、植物毒というのがあります。
最近、観賞用として普通の家庭でも栽培しているんですけども、朝鮮アサガオの実が、オクラに似ているんですね。
それを間違って食べてしまい、その結果、その中に入っているアルカロイド系の毒によって、手足のしびれ、顔面のひきつけ等が起こる、そういう食中毒が2件報告されています。
その他、よく聞くフグ毒ですね。
フグの肝臓のから揚げを食べた方が1件ありまして、食中毒を起こしています。
それからもう一つは、腸管出血性大腸菌。
これは8年位前に大阪の堺市で集団発生しましたけれども、鹿児島県でも毎年50名から60名位の発生がありまして、昨年は62名発生致しております。
その内、保育園で2件集団発生が報告されています。
腸管出血性大腸菌というのは特に怖くてですね、子ども・老人にとっては、死に至らせるような怖い病気ですので、十分注意しなければいけないと思います。

二見いすず: 食中毒の症状といいますと、大体同じようなものが出るんですか。

池田琢哉Dr: 大体共通して同じ症状が見られるんですが、発熱・腹痛・下痢・嘔吐、それから時々、発疹が出たりすることもあります。

二見いすず: そういう症状が出た時には、すぐに食中毒を疑うということになるかと思いますが、イメージとして食べたらすぐ、そういう症状が出るのかなあと思っていたのですが、菌によっては潜伏期間が色々違うんですね。

池田琢哉Dr: 食べて1、2時間で発症するんではなくて、例えばサルモネラ菌というのがありますが、これは食べてから12時間から72時間位してから症状が出てまいります。
それから腸炎ビブリオ菌は、5時間から20時間。
それから鹿児島でよく鳥刺しなどから、子どもたちがよく感染するのでカンピロバクター腸炎というのがあるんですけども、これは1週間から10日位してから症状が出てくるんですね。
そういうのがありますので、十分注意しておかなければならないと思います。

二見いすず: そうですね。
菌によって、潜伏期間も違うということを一つ心にとめておいていただきたいと思います。
来週もまたよろしくお願い致します。

池田琢哉Dr: ありがとうございました。

二見いすず: お話は鹿児島県医師会の池田琢哉ドクターでした。
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