2004.6.19
第60回放送分『食中毒』 ゲスト:池田琢哉ドクター


二見いすず: 今月は食中毒についてお話を伺っています。
お話は鹿児島県医師会の池田琢哉(いけだ たくや)ドクターです。
今週もよろしくお願い致します。

池田琢哉Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: この季節に多くなるといわれる食中毒の原因等について先週まで伺って参りましたが、今週はその予防方法を教えていただけますでしょうか。

池田琢哉Dr: はい。
食中毒の予防には3つの原則というのがあります。
一つは菌をつけない、二つ目が菌を増やさない、三つ目が菌をやっつけるということですね。
一つ目の菌をつけないというのは、例えば調理をする時に、石鹸や消毒液等で手をしっかり洗うということ、そういうことですよね。
野菜等はしっかり洗い、汚れを十分落とすということになると思います。
二つ目の菌を増やさないというのは、生ものを購入したらなるべく早く、寄り道をしないで帰宅してすぐ冷蔵庫に入れてくださいと、そういうことになると思います。
三つ目の菌をやっつけるですが、これは要するに加熱すれば食中毒菌は死んでしまいますから、そういうことでしっかり加熱していただきたいということになると思います。

二見いすず: はい。
それからもう少し詳しくポイントを絞ってお話をしていただけますか。

池田琢哉Dr: はい。
食中毒予防の6つのポイントというのがあるんですね。
家庭で出来るポイントですけども、一つ目のポイントというのは、例えば魚・肉・野菜の食品を購入する時には出来るだけ新鮮なものを買うということ、表示をよく見て買うということですね。
賞味期限ってありますよね。
そういうものもよく確認して買いましょうということです。
二つ目のポイントですけども、家庭での保存ということですが、冷蔵庫に入れるわけですけども、冷蔵庫の温度を10℃以下にするということ。
それから冷凍庫はマイナス15℃以下にするということですね。
それからあんまり何でもかんでも詰め過ぎないようにして、余裕を持って7割程度が一つの目安であるということ。
開け閉めは、頻回にしないということですね。

二見いすず: 夏場は特に気をつけないといけないですね。

池田琢哉Dr: そうですね。
肉・魚等は、水がしたたりますよね。
そういうものが他の食品につかないようにビニール袋・容器に入れて、肉汁がつかないようにしていただきたいということですね。
三つ目のポイント、これは下準備のことですけども、調理をする前に、生肉、生魚、卵等に触れたら必ず手を洗うということが大事です。
それから特にまな板で、生の肉や魚を調理した後は、包丁・まな板を丁寧に洗う。
あるいは熱湯をかける、場合によっては消毒液をかけるとかそれ位きちんとしていただきたいということです。
四番目は調理なんですけども、加熱をするということ。
これが非常に大事ですね。
特にコロッケ・ハンバーグとかそういうものは中までちゃんと火が通るように75℃で1分以上はそういう状態にしていただきたいということです。
五番目が食事をするときですけども、必ず手を洗うということ。
これを習慣づけていただきたいと思います。
六つ目のポイントは、残った食品ですけども、これはなるべく早く食べるということ。
どうもこれはおかしいなあと思ったら、思い切って捨ててしまうということが大事なんじゃないでしょうかね。

二見いすず: 3つの大原則と、6つのポイントを伺いましたが、そんなに難しいことではないと思いますので、きちんと行っていくということが何よりも食中毒の予防になるかと思います。
どうもありがとうございました。
お話は鹿児島県医師会の池田琢哉ドクターでした。
なお、次回からは「日焼け」についてお伝えいたします。