2004.7.3
第62回放送分『日焼け』 ゲスト:神崎保ドクター


二見いすず: 先週から日焼けについてお話を伺っています。
鹿児島県医師会の神崎 保(かんざき たもつ)ドクターです。
神崎さん、今週もよろしくお願い致します。

神崎 保Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 日焼けは年をとってから、皮膚がんの原因にもなるというお話を先週伺いました。
心配ですよね。

神崎 保Dr: はい。
先週も話ましたけど、日光紫外線には発がん作用がある。
そのため、皮膚がんが出来る。
皆さんよくご存知のように、タバコを吸うとタバコで肺がんが出来る。
ならば、タバコをやめようかという風潮で、非常にいいことだと思います。
今の世の中では日光紫外線が皮膚がんをつくるということがはっきり分かってますので、タバコをやめるということと同じように、日光にあたらないようにする心掛けが必要だと思います。
といいますのは、日光にあたって、すぐ皮膚がんが出来るわけはなくて、30年、40年経って出来ます。
だいたい年齢にして50歳、60歳以上ですね。
それも出来るところが、日光にあたる頭・顔・首、そういう所に出来ますので、気をつければそれなりに早く見つけることが出来ます。
では、がんの初期というのはどういうものか、皆さんもすぐわかるはずです。
どういうものかといいますと、今までなかったきれいだった皮膚にまず第一にシミが出来てくる。
痛くもない、かゆくもない。
平べったい、茶色いシミが出来て、だんだん色が濃くなってくる。
やがて数年経つと少し盛り上がってきて、ざらざら・ぶつぶつしてくる。
ここまでは、多くの場合は良性ですので、それほど心配はいりません。
ところが、ざらざら・ぶつぶつが乾燥してくるといいんですけど、湿ってくる、じとじとしてくる、かさぶたみたいなものが出来てくる。
これはがんの初めですね。
特に、かさぶたみたいなものを爪でちょんと取るとぽろっと落ちるけど、また出てくる。
そういうことになるとこれは、がんの初めである可能性が非常に高い。
そのまま置いておきますと、本物のがんになって命に差し支えが出てきます。
なるべく早く皮膚科の専門の先生のところに行かれて、診ていただいた方が良いですね。
多分、多くの先生は、大学病院に送られるか、あるいは自分のところで皮膚の検査をされると思います。
どういう検査かといいますと、そのできものの皮膚をちょこっと取って、それを顕微鏡でみる。
いわゆる、病理の検査です。
それががんであるかないかという検査です。
そういう検査も場合によっては、受けた方がいいと思いますね。

二見いすず: 今、お話を聞いてちょっとドキッとなさった方も多いかもしれませんが、まずはやり心配だ、ちょっと気になるという時には、専門医を尋ねるということが一番ですね。

神崎 保Dr: その通りです。
特に60歳以上になりますと、気にかけられた方がいいですね。

二見いすず: それとあの、日焼けのシミとはまた少し違うんですけど、気になるホクロがあるという方もいらっしゃるようですね。

神崎 保Dr: 白人の場合には、日光によって顔にホクロのがんが出ますけども、幸い日本人の場合には、顔のホクロのがんは比較的少ない。
その変わり、日光はあたりませんが、手の腹、足の腹、爪の下。
そいうところに、ホクロが出来ますとこれは非常に悪性のがん。
胃がん、肺がんよりもはるかに悪性のがんですから、もし、40歳過ぎて、手の腹、足の腹に黒いシミが出来てきたら、是非早めに皮膚科の専門の先生に診てもらった方がいいですね。

二見いすず: 極端にご心配なさることはないでしょうけども、やはり気になるときは早くお出かけいただきたいと思います。

神崎 保Dr: その通りですね。

二見いすず: はい。
来週もまたどうぞよろしくお願い致します。

神崎 保Dr: はい。
わかりましいた。

二見いすず: お話は鹿児島県医師会の神崎 保ドクターでした。
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