2004.10.2
第75回放送分『子宮がん検診』 ゲスト:波多江正紀ドクター


二見いすず: ドクタートーク、今週と来週は「子宮がん検診」について伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の波多江 正紀(はたえ まさゆき)ドクターです。
波多江さん、よろしくお願い致します。

波多江正紀Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 今回、子宮がん検診がテーマですが、子宮がん検診のスタイルが少し変わるという動きがあるそうですね。

波多江正紀Dr: はい。
今年の4月1日の厚生労働省の勧告によって従来30歳以上の方をがん検診の対象としていたものを20歳まで繰り下げました。
さらに、もう一つは、3年間連続で検査して異常がなかった場合には、それ以後の患者さんには3年に一度検診すればいいというシステムを取り入れようとしています。
これらは、ほとんどアメリカのデータに基づくもので、日本では確実な検証がされたことがないので特に鹿児島県では話し合いのうえで、あと3年間は従来通りの検査をしてその結果を解析して、それを取り入れるかどうかを検討しようということになりました。

二見いすず: 集団検診として、20歳以上の女性からというのは決まったことなんですね。

波多江正紀Dr: はい。
それは決まりました。

二見いすず: わかりました。
では、鹿児島県の現状について少しお話をして頂けますか。

波多江正紀Dr: 鹿児島県では、早期がんは十分に増えてきておりますが、その中でも、全国的にもそうなんですが、子宮頸部腺がんというものが非常に増えてきまして、同じ子宮頸がんの中では従来15%ぐらいでしたが、それが20%超えるようになってきました。
このがんは放射線が効きにくい、進行が早い、転移がしやすい、治療が非常に抵抗性だということで、しかも、若い人にも増えてきておりますので、そういう人のがん検診を徹底する必要があるだろうと考えております。

二見いすず: 腺がんを早く見つけることが早期発見、治療につながることになるわけですね。

波多江正紀Dr: はい。

二見いすず: 子宮がん検診というのはどこでも受けることが出来るのですか。

波多江正紀Dr: はい。
集団検診としては、鹿児島市、鹿屋市の一定の機関、それから川内市にありますが、それ以外ではやはりバス検診というのが動いていますので、一定の期間にしか受けられませんけども、県全体をカバーするシステムとしては出来上がっております。

二見いすず: はい。
わかりました。
やはり増えてきているがんがあるということは大変気になるところですし、これはやはりよく理解して早めに検診をするということですね。

波多江正紀Dr: はい。そうです。

二見いすず: 特に20歳以上の女性に引き下げられたというところが、ひとつの大きなポイントでしょうか。

波多江正紀Dr: やはり、妊娠すべきような若い世代の人にも子宮がんがあるような時代になりましたので、結婚、妊娠と関係のない時期にもすでに子宮がんがあるということを認識すべきだと思います。

二見いすず: はい。わかりました。
引き下げられた理由等については来週また詳しくお聞かせいただきたいと思います。
ありがとうございました。
お話は鹿児島県医師会の波多江正紀ドクターでした。