2004.10.9
第76回放送分『子宮がん検診』 ゲスト:波多江正紀ドクター


二見いすず: ドクタートーク、今週も「子宮がん検診」について伺います。
お話は鹿児島県医師会の波多江 正紀(はたえ まさゆき)ドクターです。
波多江さん、今週もどうぞよろしくお願い致します。

波多江正紀Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週、子宮がん検診の集団検診として年代が「20歳以上の方」に引き下げられたというお話がありました。
これはどういう理由でしょうか。

波多江正紀Dr: これは現実的に若い世代の特に20代の子宮がんが非常に増えてきたということです。
その原因は子宮がんにはヒューマンパピロマバイラスとうウイルスが性行為感染症の一つの原因の疾患としてありますので、このウイルスががんを引き起こす必須条件です。
感染した人の中から若い人で、がんが増えてきているということがわかっておりますので、引き下げられたんですね。

二見いすず: 性感染症の時にもお話をお伺いしましたけども、やはり深刻な問題が色々絡んでいるわけですね。

波多江正紀Dr: はい。

二見いすず: さて、子宮頸がんについてお伺いしたいのですが。
検査の方法で波多江さんが提唱していらっしゃるものがあるとお聞きしました。

波多江正紀Dr: 従来は、西日本は一般にそうなんですが綿棒というものでがん検査します。
これは、扁平上皮がんという、従来多かったがんの発見には充分なんですが、子宮頸部腺がんという少し予後の悪い、先週申し上げた転移しやすい、治療がしにくい色んなことに抵抗性のがんを早期に見つけようとするとブラシを使ったがん検診も入れる必要があるだろうと思っています。

二見いすず: そうしますと、がんを受ける女性にとっての負担などはやはり少しあるんでしょうか。

波多江正紀Dr: ブラシでこさぐので、多少は少し2〜3日の出血がありますが、その出血に対してそれなりの対応をすれば充分です。
しかし、その検査によって得られる早期の腺がんが見つかるというのは代えがたいメリットですので、是非それは理解して充分な説明を受けて、そして検査を受けていただきたいと思います。

二見いすず: これはご本人がこういう検査をして下さいとおっしゃれば出来るわけですね。

波多江正紀Dr: はい、そうです。

二見いすず: わかりました。
やはり子宮がんと聞くと大変怖いなと思うんですが、やはり早期発見しますとそんなに怖くない病気といっていいのでしょうか。

波多江正紀Dr: そうですね。
全く子宮頸がんはそうです。
ただし、子宮頸部腺がんは進行がんになってくると扁平上皮がんよりも予後がすごく悪くなってきます。
あるところを超えない時期に見つけるというのは子宮頸部腺がん、特に腺がんでは必要だということは強調しておかなければいけないと思いますね。

二見いすず: 子宮頸がんと一口にいっても、腺がんという少し予後の悪いというものがあるということを意識していただきたいですね。

波多江正紀Dr: しかも、その病気が増えているということですね。

二見いすず: それがまた怖いですね。

波多江正紀Dr: はい。

二見いすず: はい。わかりました。
ありがとうございました。
お話は鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえ まさゆき)ドクターでした。
なお、次回からは乳がん検診について伺ってまいります。