2004.10.30
第79回放送分『乳幼児検診』 ゲスト:鮫島信一ドクター


二見いすず: 今週と来週は乳幼児検診について伺って参ります。
お話は鹿児島県医師会の鮫島信一(さめしま のぶいち)ドクターです。
鮫島さん、よろしくお願い致します。

鮫島信一Dr: 鮫島です、よろしくお願い致します。

二見いすず: 鮫島さんは永年、小児科医として医療の現場に立っていらっしゃいます。
まず、この乳幼児期の検診にはどんなものがあるのか教えて頂けますでしょうか。

鮫島信一Dr: はい。
わかりました。
乳幼児検診というふうにまとめた言い方では少し分かりにくい表現になるかと思いますので、子どもの発育を段階的に分けながら説明してまいりましょうか。

二見いすず: はい。
お願いします。

鮫島信一Dr: 先ず、受精して出生するまでの「胎児期」。
これはおよそ10ヶ月間を言うわけですが羊水に囲まれ、呼吸、循環、体温調節、飲食、排泄などを全て母親が代行してくれますので人生で最も安全で幸せな時期と言えるのかも知れません。
しかし、この時期にいわゆる先天異常には注意する必要がございます。
最近の若いお母さんたちは、赤ちゃんの取り扱いに不安を抱いている方が多いように感じますが、産科のドクターに良く相談して不安のない状態で、お産を迎えて欲しいと思います。
そして、生まれてから4週目までが「新生児期」と呼ばれています。
安全な母親から生まれまして、自分で今度は生きるための全ての活動が始まるこの時期は死亡率も高くて、赤ちゃんにとって一番危険な時期とも言えるのかもしれません。
しかし、大事な栄養や免疫はお母さんに頂いています。
出来るだけ母乳で保育して、生まれた時の分娩時間やお産の難易度等によって対応が違いますので、この時期は婦人科の先生に診てもらうのがいいといえます。
そして、新生児期を過ぎて誕生日が来るまでの期間を「乳児期」と言います。
「1ヶ月検診」「3ヶ月検診」「6ヶ月検診」などを受ける時期ですが、少なくとも3ヶ月に1回は小児科で検診を受けて頂きたいわけです。
お誕生日がきましてから学校に行くまでを「幼児期」と言います。
お母さんから受け継いだ免疫もなくなり、保育園や幼稚園など集団生活で、いろんな病気に罹りやすい時期であることから予防接種を受ける必要がございます。
このように、一言で乳幼児期と言っても子どもは常に発育しているわけですからから、その児期に応じた検診が必要になって来るわけです。
検診の内容については、次回お話し致しましょうね。

二見いすず: はい。
来週もどうぞよろしくお願い致します。
お話は鹿児島県医師会の鮫島信一(さめしま のぶいち)ドクターでした。