2004.11.13
第81回放送分『胃がん検診』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 今日からの3週にわたって『がん検診』について伺って参ります。
お話は鹿児島県医師会の瀬戸山 史郎(せとやま しろう)ドクターです。
瀬戸山さん、よろしくお願い致します。

瀬戸山史郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は『胃がん検診』についてですが、この胃がんは日本人が一番多くかかるがんなんだそうですね。

瀬戸山史郎Dr: この胃がんはですね。最近、死亡する人は減ったんですが、まだ罹患している患者さんは約12万人ということで、すべてのがんに比べて一番多いわけですね。
そしてかかりやすいのが、40歳以降に多くなるのですが、特に60才以降は急激に多くなっています。
最近、早期発見・早期治療が可能になりまして肺がん等に比べて非常に予後がいいです。
例えば、がん患者さんの予後を示す指標として5年生存率、つまり、手術をしてから5年間再発がなかったらそのがんは一応、治癒したとなるのですが、その5年生存率を見ましても本県では約87%と非常に予後が良いですね。

二見いすず: はい。
わかりました。
その胃がんの原因ですが、どんなことが挙げられるんでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: これは塩分の摂り過ぎ。
これにつきますね。

二見いすず: そして、予防のポイントとしてはどんなものがあるんでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: これは危険因子として先ほど、食塩の過剰摂取を挙げましたが、その他に防御因子として緑黄色野菜・食物繊維を十分摂るということです。
実は鹿児島県民の21世紀の健康運動指針として『健康かごしま21』があるんですが、そこでは食塩を現在の12.1gから10g以下に、緑黄色野菜を、現在の93gから120g以上摂るように勧めています。

二見いすず: もう少し増やして摂ってもらうということが目安ですね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。

二見いすず: 一次予防・二次予防という言葉を聞きますが二次予防ということは検診ということになりましょうか。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
とにかく、症状が出てからでは遅いですから、無自覚・無症状の時に検診を受けて頂くと。
ただ、鹿児島県では胃がんの受診率は全国では高いですが、国の目標の30%に少し届かない、20%なんです。
ですから、是非これを30%台にもっていくということが大事だと思います。

二見いすず: 先ほどのお話で、予後も胃がんはいいというお話がありましたよね。

瀬戸山史郎Dr: ええ。
結局、予後がいいがんですからとにかく、もう一度こういうことを認識いただきまして、がん年齢をいわれる40歳以上になったら年に1回、自分の誕生日に合わせて、万障繰り合わせて市町村の集団検診を受けて欲しいと思います。

二見いすず: そうですね。
やはり、早期発見・早期治療が何よりの予防につながると思います。
また、来週、よろしくお願い致します。

瀬戸山史郎Dr: どうも失礼致しました。

二見いすず: お話は鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターでした。