2004.11.20
第82回放送分『大腸がん検診』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 先週から『がん検診』についてお伝えしていますが、今日は『大腸がん検診』です。
お話は鹿児島県医師会の瀬戸山 史郎(せとやま しろう)ドクターです。
今週も瀬戸山さん、よろしくお願い致します。

瀬戸山史郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 『大腸がん検診』についてですが、この大腸がんも鹿児島県では多いがんなんだそうですね。

瀬戸山史郎Dr: 最近、非常に増えて参りまして本県でもがんの発生部位別で男性4位、女性が2位と上位を占めるようになっています。

二見いすず: その原因はどんなところにあるんでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: これは日本人の食生活の欧米化、つまり動物性脂肪の摂り過ぎと食物繊維の摂取量が減ってきたということが原因として挙げられております。

二見いすず: そうしますと、予防としてはそういう摂取量が減ってきたものを増やすということも大切なことですね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
動物性脂肪が県民の平均が26.5%ですから、これを25%以下にしましょうと、緑黄色野菜93gを120g以上にして、しかも食物繊維というのは20g以上とることが必要なんですね。
そういったことを心掛ければ一次予防になると思います。

二見いすず: 二次予防は検診ということですね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
大腸がん検診は、便潜血反応といいまして、便を2日間自宅で取っていただいて、便の中の肉眼でチェック出来ない微量の血液をチェックすることで一次検診は終わります。

二見いすず: そんなには負担にならない検査ですね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
便潜血で陽性の方は必ず精密検査を受けるのですが、幸いにも本県の精密検査の受診率というのは全国は60%台なんですが、本県では87%と非常に高いわけですね。
これは非常にいいことだと思います。

二見いすず: そうですね。
そして、大腸がん一口にいっても出来る場所によっていろいろ違うということがあるんだそうですね。

瀬戸山史郎Dr: 一番できやすいのは、S状結腸と直腸といいまして、肛門に近い方に約7割できます。
ということは、早期発見・早期治療が可能ということですね。
完治する可能性が高いわけですね。
そういう意味で、私どもの本県の5年生存率これも96.6%と非常に高いわけですね。

二見いすず: やはり、どのがんもそうなんでしょうが、早期発見・早期治療が一番大切ということですね。

瀬戸山史郎Dr: 最後に強調したいのが、大腸がんは見つけやすい、しかも治りやすいですから、是非年に1回この定期検診を受けていただければありがたいと思います。

二見いすず: はい。
見つけやすくて、治りやすいがんであるということをお聞きして少しホッと致しましたが、食物繊維をたくさん摂るとか脂肪摂取量を少し減らすとかそういうことも心掛けていただきたいと思います。
今週は『大腸がん』検診について伺いました。
お話は鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターでした。