2004.11.27
第83回放送分『肺がん検診』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 今月は『がん検診』についてお伝えしていますが、今日は『肺がん検診』です。
お話は鹿児島県医師会の瀬戸山 史郎(せとやま しろう)ドクターです。
瀬戸山さん、今週もよろしくお願い致します。

瀬戸山史郎Dr: どうぞよろしくお願いします。

二見いすず: 胃がん、大腸がんの検診について伺って参りましたが、今日は『肺がん検診』ということですが、鹿児島県の場合、男女とも第1位を占めるそうですね。

瀬戸山史郎Dr: はい。
本県では昭和63年から男性は死因のトップなんですね。
傾向としまして、免疫力が低下する60才以上の高齢者に多い、加齢ということが関係していると思います。
その他には、喫煙ですね。
それから喫煙だけではなくて、その煙草を吸う人の吐き出す副流煙というのがあるのですが、それによる受動喫煙も発がんに非常に関係していると思われます。

二見いすず: 自分で煙草を吸わない方もそういった危険な因子があるということなんですね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。

二見いすず: 肺がんも種類がいろいろあるんだそうですね。

瀬戸山史郎Dr: 肺には、肺の入口にできる肺門癌、これは煙草の吸う人に多いです。
それから肺の抹消にできる肺野がんとあるんですが、この肺野がんは胸のレントゲンで見つけやすいのですが肺門がんは、心臓が重なるんですね。
そういったことで、レントゲンで見つけにくいということで、今、早期発見のためには喀痰中のがん細胞の有無を調べる『喀痰細胞診』この2つをやったほうがいいと思いますね。

二見いすず: やはり、煙草を吸う方はリスクが高いということですよね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね、肺がんに罹りやすい人を肺がんの高危険群といいまして、50歳以上の男性、そして喫煙指数というのは一日に吸う本数と年数を掛けた600以上ですね。
それから三親等以内にがんの患者さんがいる人を言っているんですが、こういう方は早期発見の為には、最近開発されました胸部のCT検査、こういったものを受けていただきたいと思いますね。

二見いすず: はい。
わかりました。
そして、予防ですが、やはり禁煙ですね。

瀬戸山史郎Dr: そうです。
つまるところ禁煙です。
おっしゃったようにね。
これは喫煙本数が多いほど、喫煙開始年齢が早いほど発見率が増えるということですね。
また、喫煙者の吐き出す受動喫煙でも肺がんになりやすいということですから、まず禁煙をしていただくことが大事だと思いますね。

二見いすず: その他、予防のポイントとしては・・・。

瀬戸山史郎Dr: 前から言いますように、緑黄色野菜120g以上摂る。
それから果物を200g以上摂るということも予防に役立つといわれていますね。

二見いすず: その肺がんの予後、他のがんに比べてどうなんでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: 本県の肺がんは、早期がん比率も非常に低くてわずかに3割弱。
5年生存率も4割ですので出来たら肺がんの受診率、今16.2%ですね。
30%にまで上げていただくとその早期発見が可能になると思いますね。

二見いすず: どのがんにもいえることですが、やはり自覚症状がないときに検診を受けるということが一番大切なことですよね。

瀬戸山史郎Dr: ええ。
その通りですね。

二見いすず: はい。
わかりました。
早期発見・早期治療のためには最低年1回の検診を受けて下さい。
瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターでした。