2004.12.11
第85回放送分『インフルエンザ』 ゲスト:池田 琢哉ドクター


二見いすず: 今週もインフルエンザについてお聞きします。
お話は、鹿児島県医師会の池田琢哉(いけだ たくや)ドクターです。
池田さん、今週もどうぞよろしくお願い致します。

池田琢哉Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: さて、先週はインフルエンザにかからないためには、人ごみを避けるとか予防接種を受ける、マスクをつける等というお話を伺いました。
かかってしまった場合は、早めに医療機関を受診するということでした。
今日はどんなお話をいただけますか。

池田琢哉Dr: インフルエンザに対するワクチンの効果ということですけども、これは個人差があります。
その効果があらわれるまでに、打ってから約2週間程度かかります。
その効果が持続する期間ですけども、約5ヶ月間その効果が持続するといわれています。
 インフルエンザの流行というのは、普通12月下旬から3月上旬が普通中心となります。
ですから、12月上旬までには打っていただきたい。
遅くとも12月中にはワクチンの接種を済まされることをお勧めしたいと思います。

二見いすず: はい。
わかりました。

池田琢哉Dr: それから、2回接種の場合なんですけども、2回目は1回目から数えて1週間ないしは4週間あけて接種するわけですが、体調不良で1回目と2回目の期間が4週間以上あいたとしても、ワクチン接種の効果はありますので1回目からやり直す必要はありません。
また、逆に流行が始まっていて2回接種を急いで行う必要がある場合には、不活化ワクチンですので、1週間以上あいていれば2回目の接種は可能です。

二見いすず: はい。
わかりました。
昨年は、ワクチンがちょっと不足して大変なことになりましたけども、今年はどうでしょうか。

池田琢哉Dr: 昨年は1,400万本のワクチンが作られたわけですが、今年は2,000万本近くのワクチンが作られています。
40%くらい多く作っておりますので、今年は十分足りるだろうと思います。

二見いすず: お早めに、お近くのかかりつけのお医者さんでもお尋ねになって予防接種を受けられることが一番ですよね。

池田琢哉Dr: そうですね。

二見いすず: そして、昨年も、話題になったといえばSARS(サーズ)があるんですが、こちらはいかがなんでしょうか。

池田琢哉Dr: 現在のところ、世界的なSARSの流行はみられていません。
ですが、いつでてくるかわかりません。
インフルエンザというのは、通常1週間前後で治りますけども、SARSの場合は発熱が持続して、2週目頃から呼吸器症状が強くなって重症化するわけです。
もしも、SARSが発生した場合、混乱を避ける意味でインフルエンザワクチンを積極的に受けておくことをお勧めします。
 それからあと、特にワクチンですが、高齢者・呼吸器や心臓等に慢性の病気を持つ人は非常に重症化することが多いですので、充分注意する必要があります。
最悪の場合は、死に至ることもあるわけですね。
近年、小児がこのインフルエンザにかかるとまれに急性脳症を起こして、死亡する問題が指摘されています。
これらの方々は、積極的に予防接種を受けることをお勧めしたいと思います。

二見いすず: はい。
わかりました。
ありがとうございました。
お話は、鹿児島県医師会の池田琢哉(いけだ たくや)ドクターでした。