2005.6.18
第112回放送分『食中毒』 ゲスト:鮫島幸二ドクター


二見いすず: 『今月は『食中毒』をテーマにお聞きしています。
お話しは、鹿児島県医師会の さめしま こうじ ドクター です。
鮫島さん、よろしくお願い致します。』

鮫島 幸二Dr: 『はい、よろしくお願い致します。』

二見いすず: 『先週は、食中毒予防のための6つのポイントについて、詳しくお話し頂きました。
今日はどのような内容でしょうか?』

鮫島 幸二Dr: 『はい、その食中毒の主な症状についてお話ししましょう。』

二見いすず: 『はい、例えば、少しお腹が痛いかな?という時に、どのくらい痛くなったら食中毒を疑うんだろうなんて思ったりもするんですが、難しいところですね。』

鮫島 幸二Dr: 『そうですね。
大人でもそんな方がいるわけですから、子どもさんや特に幼児などは、うまく痛みを表現出来ないこともありますので、周囲の人が食中毒の特徴的な症状を把握しておくことは、非常に大事なことですね。』

二見いすず: 『具体的にはどのようなことが挙げられるんでしょうか。』

鮫島 幸二Dr: 『はい。
食中毒というのは本来、食事を共にした複数の人に嘔気とか、お腹が痛いとか、嘔吐、下痢のほかに、頭痛、しびれなどの神経症状がみられた時に疑われます。
また、大人はなんともなくても抵抗力の弱い子どもやお年寄りだけ強い症状がでることがあります。
食中毒の原因によってはその後血便を伴う場合がありますので、何らかの異常に気づいた場合は水洗トイレでもすぐ流さずに、良く観察して頂くということと、何を食べたかちょっと後で分からなくなることがありますのでメモしておくことが大切です。
重症になりますと、発熱を伴い脳の神経を犯され、けいれんや意識障害といった重篤な症状がでる事もありますので、食中毒は決して軽く考えないようにして下さい。』

二見いすず: 『ここ何年か話題に登るO-157なども大変怖い食中毒だなあと思っていますが、脳にまで影響があると伺いますと、ほんとに軽く考えては、いけないですよね。』

鮫島 幸二Dr: 『はい。そうですね。
今おっしゃったO-157など、腸管出血性の細菌は、腸の中でだんだん増殖する過程で、強い毒素を出します。
その毒素が腎臓や脳を犯してしまう非常に怖い細菌です。
だから先ずはかかる前に予防することが大切になります。』

二見いすず: 『はい、まず予防が大切ということですが、少しでも様子がおかしいなと感じたら、とにかく専門医の診断を受けることが大切ですね。
やはり食中毒を防ぐには、予防の知識と、その実践が重要なポイントということになりそうです。
鮫島さん、今週もありがとうございました。』

鮫島 幸二Dr: 『はい、こちらこそ。』

二見いすず: 『『食中毒』3回目。
お話しいただいたのは、鹿児島県医師会の さめしま こうじ ドクターでした。』