2005.9.3
第123回放送分『禁煙』 ゲスト:村上直樹ドクター


二見いすず: 『日頃感じる健康や病気に関する不安や疑問に、鹿児島県医師会の専門のドクターにお答えいただくコーナーです。
この番組のスタート時にお送りしたのが『禁煙』というテーマでした。
番組開始から2年あまりたち、社会の流れなども随分変わってきている今、今月は再び『禁煙』をテーマに取りあげたいと思います。
スタジオには鹿児島県医師会の村上直樹(むらかみ なおき)ドクターにお越し頂きました。
村上さん、今日はよろしくお願いします。』

村上 直樹Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『公共の場所での禁煙はもちろんのこと、繁華街で禁煙区域が定められるなど、タバコをめぐる状況は2年前に比べて、変わってきていると思いますが、いかがでしょうか?』

村上 直樹Dr: 『今年2月、WHOで決議された『タバコ規制枠組み条約』が発効しました。
これは、公共輸送機関や屋内の職場、公共の場等において受動喫煙防止対策を行うこと、またタバコ製品の表示見直しや健康への警告文をつけることなどを、盛り込んでいます。
今後、日本国内でも強力な「タバコ規制」が推進されると期待しています。』

二見いすず: 『今まで、長くタバコを吸ってきた人にとっては、受難とも言える時代になりましたね。』

村上 直樹Dr: 『そうですね。
でも、タバコは吸っている本人はもとより、周囲への影響の方が大きいので、歓迎すべき流れだと思います。』

二見いすず: 『鹿児島でも、先生たちが学校内で喫煙することを規制するようになったそうですね。』

村上 直樹Dr: 『はい。
今年の4月から、鹿児島市立の幼稚園、小中学校、高校、また鹿児島県立の高校、養護学校において、敷地内は全面禁煙となりました。』

二見いすず: 『他人の吐きだした煙を吸う、いわゆる‘受動喫煙’の害というのは、そんなに怖いものなのでしょうか?』

村上 直樹Dr: 『他人がタバコを吸ってはき出される‘副流煙’には、本人が吸い込む以上の害毒が含まれています。
ニコチンは3倍、タールは3.5倍、アンモニア46倍、ホルムアルデヒドこれはホルマリンですが、50倍などという猛毒が副流煙には含まれています。
一日20本以上喫煙している夫の妻は、非喫煙者の妻に比べて肺ガンによる死亡率が2倍以上という統計も出ています。』

二見いすず: 『あらためてお聞きしますと、タバコを吸う、ということについては、喫煙者も周囲の人も、もっと意識しないといけない行為なんですね。』

村上 直樹Dr: 『はい。まずは知ることが大切ですね。
無意識に吸っていた人が、正しい知識を得ることによって、禁煙に踏み切るケースもあります。
また、タバコはやめることよりも、はじめから吸わないことが大事だと言われますので、子どもたちへの喫煙防止教育の重要性を知っていただきたいと思います。』

二見いすず: 『はい。分かりました。
来週は、子どもたちとタバコの関係についてお聞きしたいと思います。
村上さん、今日はどうもありがとうございました。
来週もどうぞよろしくお願いします。』

村上 直樹Dr: 『はい、分かりました。』

二見いすず: 『お話は鹿児島県医師会の村上直樹(むらかみ なおき)ドクターでした。』