2005.9.17
第125回放送分『禁煙』 ゲスト:村上直樹ドクター


二見いすず: 『今月は、鹿児島県医師会の村上直樹(むらかみ なおき)ドクターをゲストにお迎えして『禁煙』をテーマにお送りしています。
村上さん、今日もよろしくお願いします。』

村上 直樹Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『子どもたちがタバコを吸うと、おとな以上に中毒になるスパンが短いというお話を伺いましたが、タバコは習慣性が怖いということですね。』

村上 直樹Dr: 『はい。
未成年では特に短期間のうちに依存症になる傾向が見られるので要注意です。
あるヘビースモーカーが、喫煙者の息子へ「タバコを止めることは難しいが、はじめから吸わないことは誰にでもできる」と言っていますが、けだし名言で、その通りなんです。
はじめから子どもたちに吸わせないという喫煙防止教育が重要だと思います。』

二見いすず: 『言うまでもなく、タバコによって深刻な病気もいろいろ引き起こされるんですよね。』

村上 直樹Dr: 『はい。
喫煙者の病気についてお話しますと、本当に驚くような報告が数多くあります。
以前もお話ししましたが、肺癌で約5倍、喉頭癌がなんと30倍以上にもなるんです。
過去に、日本およびイギリスでタバコを吸う人と吸わない人の平均寿命を比較をして、大体タバコを1本吸う毎に、その人の寿命が5分ずつ縮み、これを計算し直しますと、1日に1箱ずつ吸うことで、寿命が1年間で約1ヵ月分短くなるそうです。
言い換えると、12年毎に1年分の寿命を煙と共に消しているということになるんですね。』

二見いすず: 『恐いですね。
太く短く生きるんだ、とおっしゃる愛煙家の方もいらっしゃるかもしれませんが・・・』

村上 直樹Dr: 『それが、太く短くでも健康に生きられたらいいのですが、吸う人と吸わない人を比較してみると、喫煙者の場合は平均12年も早く重い病気や寝たきりになって長患いをする、という調査結果も出ています。
またニコチンが全身の血管を縮めたり、ボロボロにしますので脳梗塞発症が2.5倍、脳卒中死亡が1.8倍という統計も出ているんです。
知れば知るほど、タバコは百害あって一利無し、です。』

二見いすず: 『女性で気になるのは、子どもへの影響もなんですけれども、美容にもかなり悪影響を与えるそうですね。』

村上 直樹Dr: 『はい。
喫煙によってシミ、シワが10〜20年も早くできると言われています。
皮膚の血流も悪くなるわけですから、当然と言えますね。
美容のためにエステに行くよりもまずは禁煙をお勧めしますね。』

二見いすず: 『わかりました。
このように具体的なお話を聞くと、タバコを止めなさい、と何回言われるよりも効果がありそうな気がしますね。
機会があるごとに早いうちから禁煙教育を行うことが大切ですね。』

村上 直樹Dr: 『はい。そう思います。
では、来週は、禁煙のコツや周囲の支援態勢などについてお話しましょう。』

二見いすず: 『ありがとうございました。
来週もどうぞよろしくお願いします。』

村上 直樹Dr: 『はい、分かりました。』

二見いすず: 『お話は鹿児島県医師会の村上直樹(むらかみ なおき)ドクターでした。』