2005.11.5
第132回放送分『子宮がん検診』 ゲスト:波多江正紀ドクター


二見いすず: 『今週と来週は、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえ・まさゆき)ドクターをゲストにお迎えして『子宮がん検診』についてお伺います。
波多江さん、どうぞよろしくお願いします。』

波多江 正紀Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『子宮がん、というのは女性にとっては大変怖い病気である一方で、特に若い時は、自分には関係ない病気のようなイメージでとらえてきたような気がします。』

波多江 正紀Dr: 『そのようにとらえておられる方、ほとんどだと思います。
しかしながら最近は大変なことが起こっていることが報告されておりまして、1997年頃から子宮ガンで亡くなる方がゆっくりですけど増えてきております。
ガン検診においても発見される子宮ガンが増えてきているということが分かっております。』

二見いすず: 『大変こわいお話ですけれどもそれは、食生活の欧米化や運動不足、喫煙など生活習慣の変化などによるものなのでしょうか。』

波多江 正紀Dr: 『一般的には、たばこにおいても子宮ガンが増えるとかそういうこともよく知られていますけれどもやはり一番我々が問題にしているのは若い人たちの性的な行動というのが一番関係していると思われます。
子宮体がんというのもありますが、子宮の奥にできるがんは、性行動とは全く関係ないんですけれども子宮の入り口のがんというのはヒトパピロマバイラスというニュウトウシュがんと言われるウイルスの感染がないと起こらないということで性病の一つととらえております。
学問の世界では全くその通りとらえております。』

二見いすず: 『HIVをはじめとする性感染症は、若い人を中心に増加しているという話はよく聞きますが、今お話伺いますと子宮頸がんも性感染症の延長線上にあるということですね。』

波多江 正紀Dr: 『そうですね。
おそらく性行為感染症の原因菌と同じような行動の中で一緒にうつっているものだと思っております。』

二見いすず: 『データ的にもいろんなものが出ているそうですね。』

波多江 正紀Dr: 『これは古くから言われていることですけれども一生のおつきあいをするパートナーの数でですね、例えば3人以上の人とつきあっている人だと、全くそうでない人と比べると1.5倍。
5人以上のパートナーが一生の間にいるとすると3倍以上の子宮ガンになるリスクが増えるということもよく知られております。
従って、安易な性行動をとるとそれなりのリスクを背負っているという自覚が必要です。
そういうことを知って、また逆に自分を守る行動としてのがん検診を受けていく必要があると思います。』

二見いすず: 『大変衝撃的な数字ですし、そういうお話自体、あまり耳にする機会がないので今回はいい機会だと思いましたけれどもやはり、いろんなことを考えますと定期的にがん検診を受けることが大切ということになりますね。』

波多江 正紀Dr: 『そうですね。
それが唯一の守る方法だと思います。』

二見いすず: 『はい。分かりました。
続きはまた来週またお願いしたいと思います。』

波多江 正紀Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『お話は鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえ・まさゆき)ドクターでした。』