2005.11.12
第133回放送分『子宮がん検診』 ゲスト:波多江 正紀ドクター


二見いすず: 『今週も先週に引き続き、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえ・まさゆき)ドクターをゲストにお迎えして『子宮がん検診』についてお伺います。
波多江さん、よろしくお願いします。』

波多江 正紀Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『先週のお話の中で、子宮がんの中でも、子宮頸がんは、性交渉による感染によるもので、さらに増えていることなど伺って、大変衝撃的でした。』

波多江 正紀Dr: 『先週は女性の方の立場から申し上げましたけれどもおつきあいしている男性が過去にいろんな女性とつきあっているようなことがあるとそれもやはり感染症ですからリスクが増えるということを知っておいていただきたいと思います。』

二見いすず: 『はい。
まさに自分の体と行動に対して責任を持つ、ということは男女問わないということですね。』

波多江 正紀Dr: 『もう一つ問題点は子宮頸がんの中でも、頸部線がんと言われる非常に治療に抵抗性のがんが明らかに増えていることです。
このがんは放射線治療にも抵抗しますし、転移も早いし、症状がある時にはもうかなりの進行がんだということがありますのでそういうことも知って検診を受けていただきたいと思います。』

二見いすず: 『中でも厄介ながんということですね。
一方で子宮体がんについては、どんなことに気を付けたらいいでしょう。』

波多江 正紀Dr: 『子宮体がんは感染症は別に全然関係ありません。
肥満、高血圧、糖尿病とか乳癌歴があるとかそういったホルモン環境に影響するような因子です。
ただし、ほとんどの症状は不正出血ということで診断されるのが日本ではほとんどです。』

二見いすず: 『分かりました。
お話を伺えば伺うほど、やはり自分で自分の体はきちんとケアしていくことが大切ということですね。』

波多江 正紀Dr: 『そうですね。
もう一つ申し上げておきたいことは日本の政府はがん検診を一度検査して異状がない方は2年後の検診を受けていただきたいということを今提案しておりますけれども、この提案の根拠になったデータは、アメリカのものでして、毎年80%の女性ががん検診を受ける国のデータに基いております。
日本の場合は平均的には15%しか検診を受けていない現状ですので、そのままアメリカのデータをもってきますとたまたま検診を受けた時に、もうがんがある。
2年前に受けたのにがんがある、ということが起こると言われておりますので、是非日本では毎年受けていただきたいと、鹿児島県もそういう方針を今とっております。』

二見いすず: 『今、私たちが耳にしているデータをそのままうのみにしてはいけないということで公的検診にプラス個人検診をして最低1年に1回ということが言えますね。』

波多江 正紀Dr: 『公的なものに頼らず、自分のことは自分で検診するという態度をとっていただきたいと思います。』

二見いすず: 『先ほどお話もありましたが、子宮体がんについては、不正出血などの症状があれば、つい、このくらい大丈夫だろうと自己診断してしまいがちですが、やはり専門医に早くみていただくということですね。』

波多江 正紀Dr: 『実際にそのような症例はたくさんあります。』

二見いすず: 『はい、分かりました。
自分の健康は自分で守るという気持ちが本当に大事だと思います。
波多江さんありがとうございました。』

波多江 正紀Dr: 『ありがとうございました。』

二見いすず: 『お話は鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえ・まさゆき)ドクターでした。』