2005.11.19
第134回放送分『乳がん検診』 ゲスト:金子洋一ドクター


二見いすず: 『今週と来週は、鹿児島県医師会の金子洋一(かねこ よういち)ドクターをゲストにお迎えして『乳がん検診』について伺います。
金子さん、どうぞよろしくお願いします。』

金子洋一Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『金子さんには、昨年もこの時間にお話を伺いました。
日本では乳がんが増えているということですが、最近、テレビや新聞で、乳がん検診の受診を呼びかける広告をよく見かけるような気がしますね。』

金子洋一Dr: 『現在、乳がんは、定期的な検診によって、かなり早期に発見され、命が助かる確率が高い病気であるにもかかわらず、国内では検診の受診率がまだ約10%という低い数字にとどまっています。
女性がかかるがんの中では一番多いのが乳がんです。
死に至る人も年々増えていまして、2003年にはついに一万人を超えました。とくに65歳以下の女性に限って言えば、乳がんの死亡率が、がんの中ではト
ップなんです。
すべての成人女性には、定期的に検診を受けてほしいと私自身も切に願っています。』

二見いすず: 『早期に発見、治療できるものなのに、あまりにも無関心なために、手遅れになっていることが多い、ということですね。』

金子洋一Dr: 『そうです。
とくに乳がんの早期発見には、マンモグラフィーという乳房エックス線検査が非常に有効です。
鹿児島県でも平成12年から乳がんの集団検診にマンモグラフィ-が導入されたのですが、非常に微細な乳がんが発見されております。
乳がんは最初、乳管という管の中に発生することがほとんどで、それが進行すると、管を破ってリンパ管や血液をめぐって転移していくことになります。
乳管の中にがんがあるうちに見つけると100%命は助かるのですが、マンモグラフィーはその微小ながんを発見するのにも威力を発揮するんです。』

二見いすず: 『触診以外にマンモグラフィー検診を受診することが大切ですね。』

金子洋一Dr: 『はい。
自分でさわったりして偶然に発見される乳がんの大きさは、平均3.6センチで、定期的にマンモグラフィー検診を受けている場合に発見されるがんの大きさは、平均1.1センチという統計が出ております。
それだけ小さなうちに発見されるということは、治療や予後の面から見て大きな違いが出てくるわけです。
一回あたりのエックス線被曝も、日本からニューヨークへ飛行機で飛ぶ時に受ける被爆と同じ程度ですので、安心して受診してほしいと思います。』

二見いすず: 『分かりました。
是非、マンモグラフィ−の検診をということです。
自分で自分の体はきちんとケアしていくことが大切ということですね。』

金子洋一Dr: 『はい。それが大事なことです。』

二見いすず: 『では、来週は、日常生活での注意点などを伺いたいと思います。
金子さん、今日はどうもありがとうございました。』

金子洋一Dr: 『こちらこそ、ありがとうございました。』

二見いすず: 『お話は鹿児島県医師会の金子洋一(かねこ・よういち)ドクターでした。』