2005.11.26
第135回放送分『乳がん検診』 ゲスト:金子洋一ドクター


二見いすず: 『今週も先週に引き続き、鹿児島県医師会の金子洋一(かねこ よういち)ドクターをゲストにお迎えして『乳がん検診』について伺います。
金子さん、今日もよろしくお願いします。』

金子洋一Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『年々増加している乳がんの早期発見が大切だというお話を先週、伺って、検診の大切さを痛感しました。
もし乳がんが発見されても、乳房を残して手術できると聞いたことがあるのですが。
如何なんでしょうか。』

金子洋一Dr: 『乳房温存という方法も確かにあります。
現在、乳房温存できるのは約半数程度です。
がんが進行していると、残したくても残せない症例があります。
がんが小さいうちに発見されるほど、乳房を残す可能性も高くなりますので、そういった意味でも、定期的検診は大切です。
乳房再建ということも可能ですので、命を守るためには怖がらずに専門医に相談してほしいと思います。』

二見いすず: 『分かりました。
そして、乳がんが最近増えているのは、なぜなのでしょうか。
加えて私たちは日ごろ、どんなことに気を付けなければいけないのでしょうか。』

金子洋一Dr: 『乳がんの発生する要因というのはいろいろありますが、まず言われているのが食事の欧米化です。
脂肪分の多い食事と乳がんの発生には、確かに相関関係があります。
そのほか、子どもを産まない、あるいは出生が少ない、出産後授乳しない、また家族に病歴がある、などの人が乳がんになる可能性が高いと言われています。
ただし、これはそうなりやすい傾向、というだけであって、痩せていて子どもをたくさん産んで授乳していても、乳がんにかかる人はいます。
とにかくすべての女性は、他人事と思わないで、定期的に乳がん検診を受けてほしいと思います。』

二見いすず: 『とくにマンモグラフィー検診が有効だということでしたが、日常的には自己検診もある程度有効なんですよね。』

金子洋一Dr: 『はい。
毎月一回、生理のある人は生理が終わって一週間目頃に、生理のない人は、日を決めて、自己検診を欠かさないでほしいと思います。
自己検診の方法は婦人科の病院等にも資料があるので、気軽にお問い合せください。』

二見いすず: 『自分の体にはきちんと向き合って、気をつけて過ごすこと、そして自己検診も欠かさないでなさって下さい。』

金子洋一Dr: 『それから、笑うことでがん細胞を殺すナチュラルキラーセルが増やせることは医学的にも証明されています。
ストレスをためないよう、クヨクヨせずに過ごすことも大事ですね。』

二見いすず: 『そうですね。
金子さん、二週にわたって貴重なお話、伺いました。
ありがとうございました。』

金子洋一Dr: 『こちらこそ、ありがとうございました。』

二見いすず: 『お話を伺えば伺うほど定期的な検診が大切だということが分かってまいりました。
お話は鹿児島県医師会の金子洋一(かねこ・よういち)ドクターでした。』